群馬県太田市のワリとフランクな税理士事務所

映画「君の名は。」の映画鑑賞代は経費になるか!?

    
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映画「君の名は。」の映画鑑賞代は経費になるか!?

ちょっと前になりますが、映画「君の名は。」を観ました。

この感想については別途記事にしたいと思っていますが、主人公に感情移入しすぎて辛くなるくらい良かったです。

それはさておき、一見限りなくブラックともいえる映画代と関連書籍は経費になるのかについて考えたいと思います。

【誤解を恐れず記載しております】

私の場合は経費にならないが、、

まず始めに、私の場合は急に観たくなって観ただけ。完全に娯楽です。

しかも、事業に何の関係も無いので、経費には該当しません

というより、

「映画を楽しもうというピュアな気持ちに経費というヨコシマな考えを持ち込んではいけない!」

税理士わくい

しかし、私の中のヨコシマ君はこう囁きます。

「いやいや、経費にヨコシマも何もないだろう。

この映画を観たことで、人を思いやる気持ちや、コミュニケーションの大切さを学んだ。

そしてそれを仕事に活かして顧客満足度を高められる。

そうすれば売上も上がる。

顧客満足度や売上を上げる研修を受けたのと変わらないよ!」

 

ヨコシマ君(詭弁君?)はもっともらしいことを言っていますが、本当に経費にしちゃっていいんでしょうか。

 

判断基準は「やごな」

ヨコシマ君の理屈はさておき、「君の名は。」の映画代と関連書籍が事業経費になる可能性は場合によりあると私は考えます。

可能性は低いですがナシではありません。

直接事業に必要で、売上に影響することが説明できればアリでしょう

ただ、一般常識として映画は娯楽性が高いので、屁理屈は通じませんし、完璧な説明が求められるでしょう。

今回に限らず、経費にできるかどうかの判断基準は次の3つに該当すれば、おおよそOKだと私は考えます。

  1. やましい気持ちは無い
  2. 合理的説明ができる
  3. 納得せざるを得ない

具体的にみていきましょう。

 

やましい気持ちは無いか?

そもそも、本人が「これは経費だ」と思っていることがスタートだと私は思います。

「正直、プライベートで観たけど経費にできるかな?」

ヨコシマD吉

という仕事に関係の無いことを自分で認識していながらも、何とか経費にしようというヨコシマな気持ちでは土台にのりません

グレー、特に限りなくブラックに近いグレーな支出は、「事業のためである」という100%ピュアな気持ちが本人に無ければ、誰が聞いても屁理屈にしか聞こえなくなります。

少なくとも本人は白又は白に近いグレーくらいに思っていなくてはいけません。

まずは、「やましい気持ちは無い」という本人の心が大事です。

 

合理的な説明ができるか?

とはいえ、やましい気持ちがなければ何でもOKというわけにもいきません。

ここが、一番のポイントになるところです。

例えば、自分の業種・業界上、映画を観るのは当たり前、又は映画館のコンサルティング上当然といえるような、合理的な説明が求められます

このことは、今回のような支出に限ったことではありません。

毎日3食外食した支出を全て経費にするのは、私の場合は合理的説明がつきませんが、フリーのグルメ研究家の場合は「そうだよねー」となるのではないでしょうか。

カーリング女子の「そだねー」がはやりましたね!

スタッフA美

納得せざるを得ないか?

もっとも的な説明ができても相手(税務署員)が納得するとは限りません

完全に納得するケースは、映画評論家なら「納得!」。

アニメ評論家なら「納得!」。

販売業でいうところの仕入れに近いですからね。

この場合グレーというより、白でしょう。

一つの基準は、「その業種なら当然だよね」と言われるかどうかです。

 

そうでないグレーな場合、合理的な説明・証明が求められたり、税務職員との価値観が合わずに平行線になる可能性もあります。

お互いの価値観がぶつかり合って訴訟というケースにもなります。

話は飛びますが、純粋に人間関係を大切にするなら「多様性を認め合う」ことが大事ですね。

ただ、税務の場合は認め合ってたら成立しない大人の事情があるのです

もし、自分が調査官だった場合、納得できるかが一つの基準にしてもいいかと思います

セミナー講師が【「君の名は。」から学ぶ恋愛必勝術】というセミナーを開催して実際に売上もあれば、これは必要経費として認められる可能性は高いでしょう。

むしろ、少額の投資でハイリターンな商品作りができ、結果納税額が増える可能性が高いため、褒めて欲しいくらいですね。

 

節税効果はあるのか?

ここまで頑張って、経費の正当性を主張したけど、節税の価値は果たしてあるのだろうか。

今回の私のケースでいえば、映画代1,300円(午前割)、書籍代1,728円、合計3,028円です。

3,028円の経費の正当性を主張するために、ここまでの労力を費やすメリットはあるのかということを考えることも時には大事です

もちろん、ちゃんと経費にすべきものは計上すべきです

しかし、沢山の意思決定を迫られる経営者であれば、そこで張り合う労力より他でエネルギーを使った方がよっぽど生産性は高くなります。

税理士的(節税的)発想ではなく、経営者的思考です。

私はどちらかというと、経営者的思考力が強いところがあります。

税理士わくい

ここまで言っておきながらなんですが、私なら限りなくブラックに近いグレーは迷わずポケットマネー払いにします。

しかも、3,028円なら。

これが国際的租税回避事案とされるレベル〇〇億円なら頑張っちゃうかもしれません。

私の場合、自分で限りなくブラックに近いと言っている時点で既にアウトです。

 

まとめ

できるものなら経費にしたい。

事業していれば、このように考えてしまいます。

でも、私は思うのです。

やましい気持ちは自分の心、体からにじみ出る。

そして、それは人格という香りとして人に伝わる。

映画は極端なケースですが、端的にいえば必要なものは経費です。

個人的な部分もあるなら家事按分です。

迷うなら税理士に聞いてください。

そして自分の主張を思い切りぶつけてみてください。

気を抜くとヨコシマ君に負けるかもしれない。

そんな気持ちがあるからこそ、日々自分を戒めております。

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今日もご覧いただきありがとうございました。

群馬県太田市の【ワリとフランクな税理士】涌井大輔でした。

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