会社設立時の資本金額を決める5つの基準!
会社設立する際によく頂く質問の一つが、
「資本金はいくらにしたらいいのか?」です。
資本金を決める場合には、主に5つのポイントがあります。
資本金は基本返済不要のお金
資本金は出資者(株主)から集めた会社運営の元手となる資金です。
資本金は返済不要の元手になるので、会社からみれば安定して使える資金になります。
一方、同じ調達した元手資金でも、借入金はお金を貸してくれた人に返していくものなので、性質は全く異なります。
起業する場合は、まずは自分や家族から集めたお金を資本金とし、不足分を銀行から融資を受けるというのがベーシックな流れです。
ただ、資本金は返さなくていいからといって、知り合いからお金を集めて資本金だけでスタートしようという簡単なものではありません。
資本金をいくらに設定するかについては、主に次の5つのポイントがあります。
- 税金からの視点
- 会社法からの視点
- 信用力
- 創業融資からの視点
- 許認可
以下、詳細をみていきましょう。
①税金からの視点
結論からいうと、資本金が1,000万円を超えると税務上はデメリットとなります。
例えば、設立事業年度と翌事業年度は原則消費税が免除されます。
超ざっくり言ってしまえば、個人事業の時に売上1,000万円超で消費税を支払っていたとしても、法人成りしたら2年間は消費税が免税になるということです。
ですが、資本金が1,000万円超の場合、設立事業年度から消費税の課税事業者となってしまいます。
また、法人住民税の均等割部分は、資本金額が1,000万円を超えると年額60,000円から156,000円にアップします。
(※群馬県太田市で従業員50人以下の場合)
資金が少ない創業期には、ちょっと痛いですね。
②会社法からの視点
資本金を提供する人を出資者といい、出資する代わりに会社の株を取得し、会社に対して発言、物申すことができるようになります。
この物申す権利を議決権といい、株主総会を通じて権利を行使することができます。
通常、出資した金額が多ければ、議決権の割合も多くなり、この割合によって会社の今後に大きく影響を与えることもあるのです。
例えば、Aさんが会社を設立して起業しようとしたとします。
しかし、創業資金は500万円必要なところ、Aさんは元手資金を100万円しか持っていなかったので、Aさんのビジネスに賛同したBさんとCさんが400万円を出資してくれました。
この場合の議決権割合は単純に、Aさん20%(100万円):Bさん、Cさん80%(400万円)となりました。
Aさんは銀行借入しなくていいからラッキーと思いました。
その後、Aさんの会社は順調に売上を伸ばして会社を上場させようと思えるまで成長しました。
しかし、BさんとCさんは調子に乗り出したAさんのことが気に入らないと思い始めていたのです。
そこでBさんとCさんが出した伝家の宝刀!!
株主総会でAさん役員解任!
超株主B吉
Aさんめっちゃ頑張ってたのに!?
これまで出資しただけで仕事は全くしてこなかったBさんCさんにそんな権利があるのか!
はい、あるんです。
税理士わくい
議決権の過半数があれば、役員を解任できてしまうのです。
この話って、実は結構ある話なんです。
大きい会社の話だけじゃないんです。
特に、知人から出資してもらったり、親族から出資してもらったけど、その後不仲になった場合です。 こうしたトラブルを防止するためにも、創業期は、できればオーナーが出資総額の2/3以上は確保しておきましょう。③信用力
取引先によっては、資本金をみて取引するかどうかを判断することもあります。
大企業と取引しようという場合でなければ、資本金額はさほどの問題にはならないでしょう。
ただし、資本金1円というのだけは絶対にやめましょう。ペーパーカンパニーと判断される可能性が高くなり、逆に信用力を下げることになります。
④創業融資からの視点
創業融資を金融機関から受ける際には、ある程度の自己資金があることを要件としてることが多いです。
自己資金=資本金と捉えてもらって大丈夫です。
事業内容にもよりますが、必要資金の3割くらいは用意しておきたいものです。
⑤許認可
事業によっては許認可が必要な業種があります。
さらに、許認可によっては、一定の資本金を許認可の要件としている場合もあります。
例えば、
- 職業紹介業・・500万円
- 労働派遣業・・2,000万円
- 旅行業・・300万円~3,000万円
といった業種は、最初にまとまった資金が必要になります。
許認可が必要な業種の場合、資本金要件に引っかからないか、設立前にシッカリ確認しておきましょう。
まとめ
創業期は元手資金が不足しがちです。
銀行借入に抵抗があるからといって、知人から資本金を調達するのも注意が必要です。
資本金と借入金のバランスなど、不明な点があれば迷わず専門家に相談しましょう。
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群馬県太田市の【ワリとフランクな税理士】涌井大輔でした。
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