群馬県太田市のワリとフランクな税理士事務所

節税に意識を取られると資金繰りは悪化する!?税金を払うと逆にお金が貯まるってどういうこと!?

    
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節税に意識を取られると資金繰りは悪化する!?税金を払うと逆にお金が貯まる...

群馬県太田市のワリとフランクな税理士わくいです。

中小法人、個人事業主の夢と成功を支援する特化型税理士です。

 

できるだけ税金を払いたくない、もっと節税したい、いい節税策ありませんか?

このような相談を受けることは少なくありません。

そもそも節税の目的は何でしょうか?

お金を貯めたいのであれば、もっと税金を払った方がいいかもしれません。

 

節税してもお金は貯まらない

「節税したい、払う税金を減らしたい」

起業家さや

そもそも節税する目的は何でしょうか?

その目的を達成するための手段は、節税が正解なのでしょうか?

税理士わくい

もし、「会社に資金を残して投資に充てたい」、「もしものために手元資金を手厚くしておきたい」、といった「お金を貯めることが目的」であれば、節税は適切な手段ではないかもしれません

 

ひとつ例をみてみましょう。

これから毎年6年間は、ぴったり100万円の法人の利益(所得)が出ると仮定します。

法人税などにかかる税率を25%とした場合、100万円×25%=25万円の税金を6年間支払うことになります。

6年間で合計150万円の税金を払うわけです

利益(所得)税率支払税金
1年目100万円25%25万円
2年目100万円25%25万円
3年目100万円25%25万円
4年目100万円25%25万円
5年目100万円25%25万円
6年目100万円25%25万円
合計600万円25%150万円

この支払税金をゼロにするため、600万円の社長用の移動車両を新車購入し、6年の定額法で減価償却をしました。

車両600万円÷6年=100万円/年の減価償却費
毎年の利益が100万円だったわけですが、600万円の車両を購入し毎年100万円の減価償却費を計上することで、今後6年間は法人の利益(所得)はゼロになります

法人の利益はゼロなので、利益に対してかかる法人税等もゼロになります。

これにより、見事税金をゼロにする節税を達成しました。

 

ですが、6年で支払うはずだった150万円の税金はゼロになりましたが、車両購入するために600万円のキャッシュが1年目に出てしまいました。

融資を受けて車両を購入した場合は、手元の資金は流出しないかもしれませんが、利息も含めて最終的に600万円以上のキャッシュが出ていくことになります。

 

事業運営にかかせない、さらには売上増加にかかせない「投資」目的で車両を購入したのであれば、素晴らしい経営判断といえるかもしれません。

もし、お金を貯めたい、という目的を達成したいのであれば、節税しない方が良かったりします。

お金が減るのが嫌だから節税する、というのは矛盾しているというか、合理的判断ではなかったりするんですね。

起業家さや

人は感情の生き物です。

だからこそ数字で考えることも必要なのです。

税理士わくい

 

 

節税を考えすぎると成功しない

先ほどの車両購入の例をみてわかるとおり、節税策を取らない方が会社にお金が残ったりします。

そもそも節税の多くは、先にお金を払う場合が多く、節税といっても支払う税金を将来に先送りしているだけのケースも少なくありません。

 

特に、規模が小さい会社の場合、「飲食費などの交際費で経費を増やす」、といったように、お金が流出するだけの節税策を取っている会社も正直多いと感じています。

経費が増えて、会社の利益が減る。

会社の利益が減れば、支払う税金が減る。

支払う税金が減ることで、社長は得した気分になるかもしれませんし、社長の感情は満たされるかもしれませんが、結果として手元に資金が残りません

 

成功している企業は利益を出しいている企業。

利益を出しているということは、税金も払っている。

税金を払っているということは、節税で頭がいっぱいの会社よりも資金が多く残ることにつながるわけです。

利益が出ても資金が不足している会社は、売掛金の回収サイトを短くする、買掛金の支払いサイトを伸ばすよう交渉する、など資金が手元に残る仕組みを作ることが必要かもしれません。

税理士わくい

利益が出ていないのに手持ちキャッシュが潤沢で成功しているamazonのビジネスモデルが良い例ですね!

ムー係長

 

京セラの稲盛さんは税金を必要経費と捉えた!

京セラの稲盛さんは、1959年の設立以来、短期間で成長した秘訣を次のように述べています。

しかしそこで発想を変え、税金はもともと経費だと考え直したんです。

その残った分をどう伸ばすかが勝負だと見たわけです。

そうすることによって、被害者意識はなくなりました。

儲けの半分を税金で取られてあほらしいと思っていると、中小企業のままで終わるんですね。

半分取られても、それは経費で、あとの半分は自由に使える、それをどう大きくするかと見るようにしないと駄目なんですね。

秘訣といわれても、碁石のようにポンと打って形勢が一変するということはないような気がします。

地味な努力の積み上げしかないと思います。

最初の100万円、50万円を大事にして、積み上げるしかないのではないですか。

稲盛和夫「稲盛和夫、かく語りき」p21-22

 

私は税理士でありますが、事業の成長に必要な投資は積極的に検討すべきだが、節税は必要以上に考えるべきでないと考えています。

節税に思考がとらわれると、お金を使うことばかり考えてしまい、何を目的に節税するのかがわからず経営判断を見誤ってしまうからです。

社長個人に資金を残したいと思うなら、しっかり役員報酬を取って、個人で節税すればよいかと思います。

色んな考え方があるかと思いますが、稲盛さんのように、税金を払って資金を積み上げていくことが、地味でありながら効果的な貯蓄だと思います。

 

まとめ

もし、「会社に資金を残して投資に充てたい」、「もしものために手元資金を手厚くしておきたい」、といった「お金を貯めることが目的」であれば、節税は適切な手段ではないかもしれません。

ご連絡お待ちしております!

税理士わくい

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