節税と無駄使いは違う!節税の目的は会社にお金を残すこと!
節税は税金を少なくするために無駄使いをすることではありません。
「税金でお金をもっていかれる」という気持ちもわかりますが、税金を払うのがもったいない、という気持ちで経費を増やすのは節税ではなく、多くの場合は無駄使いです。
税金を少なくするための節税策の多くは、お金を使う節税か税金の支払いを将来に先送りするものです。
節税を検討するうえで大切なことは、会社の役に立つか、資金繰りが楽になるかの2点です。
節税のようで大半は無駄使い
よく「税金を払うくらいなら経費に使った方がマシ」という経営者の方がいます。
気持ちはよくわかります。
自分で稼いだものが、ごっそりもっていかれるような感覚があるのでしょう。
ですが、ちょっと冷静に考える必要があります。
節税の目的は会社にお金を残すことです。 お金を残す観点で考えれば、必要のない設備や経費にお金を使うよりも、結果的に納税した方が会社にお金が残ります。税率が100%を超えることはありません。
税率が上昇傾向で、翌期には設備や備品の購入が必要になるというのであれば、前倒しで支出することも考えられます。
無駄使いかどうかの判断は人それぞれですが、節税を考える際は、
- 会社のために役立つ支出か
- 資金繰りを安定化させられるか
が判断基準になります。
税金を減らすことができるかどうかで判断すると、無駄使いを増やす原因になるので注意しましょう。
節税の基本は税金の先送り
翌期買う予定だった備品を、節税策として今期に買う場合は、今期の税金が少なくなります。
逆に、今期前倒しで備品を買ったので、翌期は当初の予定よりも、備品の分だけ税金が増えることになります。
減価償却についても、定額法なら毎年同額を経費化していきますが、定率法なら早い年度ほど経費化が増えることになり、後の年度ほど経費化できる金額が減ります。
「定率法で節税」と考えることがあるかもしれませんが、基本的にトータルで経費にできる金額は定額法も定率法も同じです。
税金の支払を先送りするかしないかの違いです。一部の節税策を除いて、大半の節税策は「税金の先送り」策です。
税金を減らすことに考えがいきすぎて、手元のお金がなくなってしまっては本末転倒です。
お金を貯めるためには、あえて納税をすることも経営戦略として大切なことです。無駄な支出をおさえれば、納税は生じるけどお金は貯まることになります。
税金の先送りは資金繰り改善策でもある
仮に、今後も税率が変わらないのであれば、今後払うトータルの税金は同じになる。
ということは、節税策って意味がないじゃん、と思う人がいるかと思います。
私個人はやたらと節税策を講じる必要はないと考えます。節税策を検討する大きな理由は、資金繰りを改善することにあります。
例えば、減価償却費を固定資産購入年度に一括で費用化できる制度を活用したとします。
本来であれば、8年とかで毎期一定割合を費用化していくところ、初年度に全額経費にしてしまうわけです。
8年トータルでみると、経費化できる減価償却費は同じになります。
ですが、固定資産購入初年度は多額のお金が出ていくことになり、手元のお金がなくなることが考えられます。
そうなると、お金は出ていったのに、費用化できる金額が少なければ、支払う税金も増加することになります。
今現在のお金を納税資金で流出させない、「税金の先送り手段」として節税策は有効です。節税による税金の先送りは、重要な資金繰り改善の手法であることも知っておきましょう。
節税の検討には納税予測がマスト
節税には、
- お金の支出を伴うもの
- お金の支出を伴わないもの
があります。
大半の節税策は「お金の支出を伴うもの」です。
多額の税金が出るから節税するのであって、納税がないなら無理して経費を増やす必要はありません。
後になって、「無駄な支出をした!」と後悔しないためにも、納税予測が必要となってきます。
特に、月次決算がしっかりしていない会社は注意が必要です。
決算で締めてみると予想の損益が最終的に大幅にブレる可能性があります。
税務申告の段階になって節税をしようと考えても、すでに翌事業年度が進行しているため節税は間に合わなくなります。
また、予測を立てずに節税のつもりでお金を使ったら、決算が確定したら利益が意外に少なかったということもあります。
場合によっては赤字になっていたり、とか。
金融機関から融資を受けている場合は信用力を下げることにもなりかねません。節税対策には納税予測が必要です。
そのためには、決算の2~3ヶ月前くらいのタイミングで精度の高い月次決算を作成していくことが求められます。
ひゃー、経営って大変ですね!
インターンけろ吉
まとめ
節税には、
- お金の支出を伴うもの
- お金の支出を伴わないもの
があります。
そして、節税を考える際は、
- 会社のために役立つ支出か
- 資金繰りを安定化させられるか
を判断基準にすると、より効果的な節税策を講じることができます。
節税策を検討するには納税予測が必要です。
精度の高い納税予測をするためにも、まずは毎月の月次決算をしっかりと作成することをオススメします。
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