白色申告「専従者控除」の要件と具体的計算例をチェック!
確定申告もいよいよフィナーレが近づいてきました。
ある意味これからファンファーレという人もいるでしょう。
当事務所にも確定申告の駆け込み依頼が増えてきました。
さて、白色申告をしている場合は、親族に払う給与は経費にすることができません。
ですが、専従者控除として所得を減らし、節税をすることができます。
専従者控除の要件と具体的な計算例をお伝え致します。
白色申告は給与を経費にできないが専従者控除が使える
ご存知の方も多いかと思いますが、青色申告では税務署に届出書を提出することで、親族に払う給与を経費にすることができます。
ですが、白色申告は親族に払う給与を経費にはできません。
青色申告のように、親族に払う給与を経費にするための届出もありません。
そうか、経費にできないのか。。
旦那さんが主夫なんですけどね。
起業家さや
そんな、あなた!
諦めないでください。
税理士わくい
白色申告では、配偶者などの親族に払う給与は経費にはできませんが、「事業専従者控除」として、確定申告で所得から差し引くことができます。
確定申告書の収支内訳書に「専従者控除額」欄があるので、そこに後述の計算式で算出した控除額を記入します。
白色事業専従者控除額の計算例
専従者控除額は下記のいずれか低い方の金額となります。
- 配偶者は86万円、配偶者以外は専従者一人につき50万円
- 専従者控除前の事業所得等の金額を専従者の数に1を足した数で割った金額
「専従者控除前の事業所得等の金額を専従者の数に1を足した数で割った金額」の計算例を具体的にみてみましょう。
(「事業所得等」には、山林所得と不動産所得を含む)
計算例1
- 収入250万円
- 経費150万円
- 専従者は配偶者1人
このケースの場合、最終的な事業所得は、次のようになります。
計算例2
- 収入600万円
- 経費300万円
- 専従者は配偶者1人
専従者控除の上限86万円を超えているので、このケースの場合は専従者控除額は86万円となります。
最終的な事業所得は、次のようになります。
白色事業専従者控除を受けるための要件
白色事業専従者控除を受けるための要件は、次のとおりです。
- 白色申告者の営む事業に事業専従者がいること
- 確定申告書に金額など必要な事項を記載すること
ちなみに、「事業専従者」とは次の要件に当てはまる人をいいます。
- 白色申告者と生計を一にする配偶者その他の親族であること
- その年の12月31日現在で年齢が15歳以上であること
- その年を通じて6ヵ月を超える期間、専ら従事していること
ポイントは、「その年を通じて6ヵ月を超える期間、専ら従事していること」でしょう。
仮に8月に開業した場合は、8月~12月までの5カ月間しか従事していないことになるため、白色事業専従者控除の要件に当てはまらないことになります。青色申告専従者給与の要件は、「従事することができる期間の2分の1を超える期間」なので、白色申告のように、開業初年度の6ヵ月間超従事という縛りはありません。
従事期間に関しては白色申告の方が厳しいですね。
スタッフA美
専従者控除額も給与所得扱いとなるので注意!
専従者控除額は、単なる形式的なものでは終わりません。
専従者控除は専従者の給与扱いとなります。つまり、「専従者控除額=専従者の給与収入」となります。
専従者控除額MAXの86万円を使った場合は、配偶者が86万円の給与収入を得たことになります。
もし、白色申告者の事業の他に収入を得ている場合は、「専従者控除額+その他収入」が、年間の総収入となります。
専従者控除額を考慮せずに、所得税がかからないギリギリの範囲でパート収入などを得ている場合は、確定申告で税金が発生する可能性があるので注意が必要です。
まとめ
白色申告で専従者控除が使える方は、節税策として有効なので適用してみてください。
その際、要件に該当するかどうか、控除額が上限を超えていないかどうかも必ずチェックしましょう。
専従者の年間所得にも注意を払いましょう。
税理士わくい
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群馬県太田市の【ワリとフランクな税理士】涌井大輔でした。
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