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「外注費」で経理したら税務調査で「給与」扱いと指摘された!?違いを理解しておこう!

    
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「外注費」で経理したら税務調査で「給与」扱いと指摘された!?違いを理解し...

税務調査でよく問題になるのが、個人の外注先に支払った「外注費」が、実態は「給与」なのではないか、という点。

同じ経費でも、外注費と給与では、税務上の取扱いが大きく異なります。

収入を得る側も、所得区分が変わるため、確定申告の内容が変わります。

判定を誤り、税務調査で修正、という形になると、資金的・精神的痛手を負う可能性が高くなるので、区分はしっかり理解しておくことが必要です。

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給与」と「外注費」の税務上の違い

税務調査で調査官に入念にチェックされるランキング上位にくるのが、本当に「外注費」なのか、実態は「給与」ではないのか、という点です。

例えば、次のような「個人の外注先」に対する支払いは注意が必要です。

  • 建設業のいわゆる一人親方
  • 運送業のいわゆる100%社内外注
  • フリーランスのプログラマー
  • フリーのネイルアーティスト
  • 農業の手伝い
  • 季節イベントの単発バイト

 

給与」扱いか「外注費」扱いかによって、次の項目で税務上の取扱いが大きく異なります。

  1. 消費税
  2. 源泉所得税
  3. 社会保険の加入

 

消費税

外注費扱いの場合、会社や個人事業主など支払った側からすると、消費税計算の際に外注費に含まれる消費税を差し引いて計算することができます

結果として、その分、消費税の納付税額が少なくなります。

これが、給与扱いになると、給与には消費税が含まれていないため、消費税計算の際に消費税額を差し引くことはできません。

同じ経費なら「外注費」の方が消費税計算が有利になります

 

源泉所得税

給与扱いだと、会社や個人事業主など支払った側からすると、支払金額から源泉所得税を天引きし、納付まで行う必要があります

また、源泉徴収票を発行して支払先に渡してあげることも必要です。

支払いを受ける側からすると、源泉所得税が天引きされた分手取り額が減ることになります。

一般の会社員と同じですね。

これが、外注費扱いになると手取り額は減らず満額受け取ることができますが、受取った側は事業所得として確定申告をする必要があります。

 

社会保険の加入

給与扱いの場合には、社会保険の加入の対象となります

源泉所得税と同様に支払金額から社会保険料を差し引くことになるので、受取る側は手取り金額が減ります。

また、会社側からすると、会社負担分の社会保険料を支払うことになり、資金負担が増加します。

給与扱い外注費扱い
消費税の控除できない
(不利)
できる
(有利)
源泉所得税天引きする天引きしない
(本人が確定申告)
社会保険の加入対象となる 原則対象外

上記の表のとおり、「給与」と「外注費」では税務上の取扱いが大きく異なります。

「外注費」扱いの方が会社・事業者側としては有利になる場合がほとんどです

税務調査で「給与」扱いと判断された場合には、過去に遡って、多額の消費税と源泉所得税の負担が発生するケースもあります。

 

「給与」と「外注費」の判定基準

では、具体的にどのようにして「給与」と「外注費」を判定するかです。

「給与」と「外注費」の違いは、収入を得る側からすると、

給与所得(給与) or 事業所得(外注費) ⇒確定申告時の所得区分が変わる

という違いがあります。

では、給与所得になるか、事業所得になるかの違いはどう考えたらいいかです。

形式的には次のように判定します。

  • 「給与所得」・・「雇用契約」に基づく所得
  • 「外注費」・・「請負契約」に基づく所得

ここで、こんな風に思った人がいるかと思います。

 

じゃあ、「請負契約書」作っておけば「外注費」じゃん!

起業家さや

そう、気持ちはわかります。

ですが、そう簡単に上手くいかないところが、税務の面白さ面倒なところなのです。

形式的に請負契約書があったとしても、「実態がどうか」というところも勘案する必要があるのです。

実務上は、外注費なのか給与なのか、その区分が明らかでない場合もあります。

その場合は、形式上業務の実態を総合的に勘案して判定することになります。

 

判定方法(実態)5つのポイント

業務の実態を総合的に判断して、なんて言われても、どう総合的に判断すればいいのか困っちゃいますよね。

具体的には次の5つのポイントで判定していくことになります。

  1. 外注先が自ら請負金額を計算しているか
  2. 他人の代替が可能かどうか
  3. 事業者の指揮監督を受けるかどうか
  4. 完成品が滅失した場合のリスクをどちらが負うか
  5. 材料や用具はどちらが用意するか

 

①外注先が自ら請負金額を計算しているか

通常、外注先は契約に基づき自ら請負金額を計算し、請求書を発行します。

請負金額について、発注先が日数や時間で報酬を計算して支払っている場合は「雇用関係(給与扱い)」とみなされる可能性があります。

 

②他人の代替が可能かどうか

他人の代替が可能かどうか、は言い換えれば自分以外の従業員や、さらにアウトソーシングした先が代わりに仕事をしても業務が遂行できるかどうかです。

  • 従業員や下請けに仕事を任せられる場合は「外注費
  • 自分自身が働かないと業務が遂行できない場合は「給与

となります。

 

③事業者の指揮監督を受けるかどうか

発注者側から作業の具体的な内容・方法、作業時間等の細かな指示がある場合は、実態が給与扱いといえます。

逆に、完成品を期日までに納品すればよく、発注者からの指揮監督下になく、発注者が通常行う程度の指示であれば、外注費扱いの要素が高まります。

 

④完成品が滅失した場合のリスクをどちらが負うか

通常、請負契約(外注)であるならば、完成品(成果物)を発注者に引き渡さなければ報酬を請求できません。

例えば、バッグを作って、小売店に納品する途中でバッグを盗まれたとします。

外注であれば、バッグの納品が完了しなければ報酬は請求できないことになります。

逆に、バッグを納品できなくても、バッグを作った時間分の報酬をもらえるとしたら、給与扱いとなります。

不可抗力で業務を遂行できなかった場合の、そこまでにかけた労力やリスクをどちらが負うのかも判定のポイントとなります。

外注先がリスクを負うのが請負契約(外注)、外注先がリスクを負わないのが雇用契約(給与)となります

 

⑤材料や用具はどちらが用意するか

材料や工具・用具、現場までの移動手段について、どちらが負担しているかです。

工具・用具などを自前で用意していれば、外注扱いとなり、発注先で用意していれば給与扱いと判断されます

 

判断基準9項目表

「給与」or「外注費」の判定5つのポイントをみてきましたが、実務上は「個人の外注先」に対しての線引きが非常に難しいのが実情です。

税務調査でも問題になりやすいところです。

ここでは、先に述べた5つのポイントを含めた、よくある9つの判断項目をまとめてみました。

参考にしてください。

給与扱い的判断外注費扱い的判断
①支払金額の計算時給・月給業務請負的な単価決め
②請求書の発行なしあり
③指揮監督作業の具体的指示等通常程度の指示のみ
④支払の締日と支払日社員給与と同じ締日・支払日一般支払の締日・支払日
⑤福利厚生(忘年会等)会社負担本人負担又は交際費
⑥工具・用具の負担会社負担本人負担
⑦リスク負担会社負担本人負担
⑧残業・通勤手当、賞与ありなし
⑨出勤簿など勤労管理記入あり記入なし

これらが、どこまで当てはまると「外注費」になるか、「給与」になるか、といった明確な線引きは残念ながらありません。

 

メッチャわかりにくいですね!

スタッフA美

ただし、個人の外注先を「外注費」扱いとする場合、④~⑨の項目が「給与扱い的判断」になると、外注費として扱うのは厳しくなります。

①の支払いが「月給」の場合も厳しいですね。

また、業種や会社によっては、請求書の発行はしないけど、「支払確認書」へのサインによって、請求額を決定することもあります。

 

まとめ

本来であれば、実質「給与的扱い」と考えられる状況でも、個人の外注先本人の希望や会社の考えなどにより、実態にそぐわない経理をしているケースもあります。

「外注費」扱いとして経理していたものが、税務調査で「給与」扱いと判断された場合には、過去に遡って「源泉所得税」と「消費税」の負担が多額となってしまうケースもあります。

資金的負担だけでなく、精神的負担も厳しいものがあります。

自己の判断で勝手に「外注費」として経理することなく、外注費と給与の判定は慎重にすることをオススメします。

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今日もご覧いただきありがとうございました。

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