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美容室、ネイルサロン、エステのように仕入や経費で支払う消費税が少ない場合は簡易課税を使った方が消費税が安くなる!?

 
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税理士 涌井大輔事務所の代表税理士。 群馬県太田市在住。 経営支援を通じて、働く人達の笑顔と元気を増やす事に生きがいを持つ、わりとフランクな税理士。お客様直接対応に命を懸ける。 日本政策金融公庫を中心に、創業融資支援では『高確率&低金利&スムーズ』を実現し、お客様から高い評価と支持を得ている。 筋トレ、読書、経営話、ミスド、スタバ、笑顔、ワイン、哲学好きな隠れ情熱男子。判断基準『楽しいかどうか・やりたいかどうか』
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「売上が1,000万円を超えてくると消費税を払わなければいけない」

個人事業として開業する際は、こういった話を聞いたことがある人は多いかと思います。

実は消費税の計算方法には原則課税と簡易課税という二つの計算方法があり、ご自身にとって有利な方法を選択することができます。

美容室やネイルサロン、エステのように、仕入や経費で払う消費税が少なかったり、経費のほとんどが人件費という場合は簡易課税を選択した方が払う消費税が少なくなるかもしれません。

 

消費税の2つの計算方法

消費税には2つの計算方法があり、税金が安くなる方を事業者が選択することができます。

ここでは原則課税簡易課税のざっくりとした計算の考え方をみておきます。

 

①原則課税

原則課税は一般的な計算方法です。

何も届出を出さなければ、原則課税で消費税を計算することになります

ざっくり、次の計算方法で納付する消費税を計算します。

「納付する消費税=(受け取った消費税-支払った消費税)」

 

「受け取った消費税」は、簡単に言えば「売上に含まれる消費税」です。

一般的なビジネスの場合は、基本的に売上に含まれる消費税が「受け取った消費税」となります。

特殊な例としては、医療機関の売上にあたる保険収入や不動産賃貸業の住宅用賃料などは非課税となりますが、このような特殊な例に当たらない収入以外の多くは、売上に消費税が含まれています。

逆に、事業用で使う物品の購入やサービスの支払いのほとんどは「支払った消費税」が含まれています。

次の費用は「支払った消費税」が含まれていない代表例です。

  • 給与
  • 社会保険料
  • 所得税など各種税金
  • 印紙や証紙代
  • 自動車保険など各種保険料
  • 保証協会の保証料
  • 減価償却費
  • 軽油代に含まれる軽油取引税
上記の経費には「支払った消費税」は含まれていません

つまり、「受け取った消費税」から差し引くことができない経費となります

 

これは何を意味するか?

経費のほとんどが上記の支払いだった場合は、「受け取った消費税」のほとんどを税務署に納付しなくてはいけないということになります。

例えば、とあるコンサルティング会社の売上が3,240万円、経費は社長の役員報酬3,240万円だけだったとします。

利益はプラマイゼロですが、消費税計算をしてみると、社長の役員報酬(給与)には「支払った消費税」が含まれていないので、

(受け取った消費税240万円)-(支払った消費税ゼロ)=納付する消費税240万円

となってしまうのです。

このように、原則課税の場合は「支払った消費税」が少なければ少ないほど納付する消費税が増えてしまうのです

 

②簡易課税

消費税のもう一つの計算方法である簡易課税は、「支払った消費税」を完全に無視します

「受け取った消費税」のみに着目するのが簡易課税の大きな特徴です

簡易課税は業種ごとに「みなし仕入れ率」が設定されています。

美容室のようなサービス業なら「受け取った消費税の50%を支払った消費税として差し引いてもOKですよ!特別に!」という特例計算が認められた制度となっています。

仮に、とある美容室の売上3,240万円、経費は仕入や光熱費の支払いが一切なく、人件費3,240万円のみだったとします。

青空美容室ですね!

にゅーみ

その場合、原則課税だと納付する消費税は240万円となりますが、簡易課税の場合は次のようになります。

(受け取った消費税240万円)-(受け取った消費税240万円×みなし仕入れ率50%)=納付する消費税120万円

このケースの場合、簡易課税で計算すると納付する消費税が120万円も得しちゃいました。

極端な設定ではありますが、「「支払った消費税」が少ない業種ほど簡易課税を選択すると有利になる」、ということがわかっていただけたかと思います。

経営状況にもよりますが、人件費が大半を占める美容室やエステ、ネイルサロンの場合は簡易課税の方が有利になる可能性が高いので、検証する価値はあるかと思います。

業種ごとのみなし仕入れ率

「みなし仕入れ率」は業種によって割合が異なります。

  • 第一種事業(卸売業)…90%
  • 第二種事業(小売業)…80%
  • 第三種事業(製造業等)…70%
  • 第四種事業(飲食等その他の事業)…60%
  • 第五種事業(サービス業等)…50%
  • 第六種事業(不動産業)…40%

「みなし仕入れ率」が高いほど「受け取った消費税」から差し引ける金額が大きくなるということです。

ちなみに、美容室やネイル・エステサロンの場合は、カットやシャンプー・カラー、施術などはサービスに該当するため第五種を採用し、シャンプーやワックス・グッズ等の商品販売は小売りとして第二種を採用します。

美容室といっても、売上の中身によって「みなし仕入れ率」の区分が異なってきます

会計ソフトに登録する場合は、消費税区分をしっかり分類するように注意しましょう。

もし、区分が上手く出来ていない場合は、一番低い「みなし仕入れ率」を採用し、このケースの場合は第五種で統一することになります。

ここではざっくり書きましたが、ご自身の業種が第何種に該当するのかについては、国税庁HPのフローチャートで確認したり、「e-Stat)政府統計の総合窓口」を活用して、区分を判定しましょう。

簡易課税の区分判定は実務でも間違いやすいので慎重に!

税理士わくい

かなり神経使います!

インターンけろ吉

簡易課税を使うための2つの要件

「原則課税と簡易課税の2つの方法で計算した結果、簡易課税の方が有利だとわかった。だから今回の確定申告は簡易課税でいこう!」

 

残念ながらそうは問屋がおろしません!

税理士わくい

簡易課税を選択する場合は次の2つの要件をクリアしている必要があります。

  • 基準期間の課税売上高が5,000万円以下
  • 「消費税簡易課税制度選択届出書」を事前に提出している
個人事業の場合、基準期間は2年前の期間をいいます

平成30年分の確定申告であれば、平成28年分の消費税が含まれる売上が5,000万円以下であれば簡易課税を選択することができます。

もちろん、平成28年分の課税売上高が1,000万円以下なら免税事業者となり、平成30年分はそもそも消費税を払う必要はなくなります。

 

そして、「消費税簡易課税制度選択届出書」を事前に提出しておくタイミングが重要になります

事前というのは、個人事業者の場合は「前年」となります

平成30年分の消費税計算で簡易課税を選択したいなら、「前年」の平成29年中に「簡易課税制度選択届出書」を税務署に提出しておきます。

平成31年に入ってから、「平成30年分の確定申告の集計をしてみてから判断する」、というのでは遅いのです。

簡易課税を選択するかどうかは、基本的に決算が来る前に予測しておく必要があるということです。

簡易課税を使う場合の注意点

ケースによって原則課税よりもオトクな簡易課税ですが、実務上あるある注意点があります。

  • 消費税の還付は受けられない
  • 一度使ったら2年は簡易課税をやめられない
  • 取りやめの届出を出さない限り簡易課税の効力は永遠に続く

 

消費税の還付は受けられない

原則課税の場合、「受け取った消費税」よりも「支払った消費税」の方が多い場合は、消費税を還付してもらうことができます

一方、簡易課税は「受け取った消費税」のみに着目するため、支払った消費税がいくらあろうと無視することになります。

仮に、何千万、何億とする事務所や店舗ビルを建設したとしても、簡易課税の場合は建物に含まれる「支払った消費税」は無視されてしまい、還付を受けることができなくなってしまいます。

 

一度使ったら2年は簡易課税をやめられない

簡易課税は原則として、2年間は継続適用となります

仮に、原則課税の方が有利だとわかったとしても、2年間は簡易課税縛りとなってしまいます。

簡易課税の届出を出して、1年目に簡易課税を使い、2年目に大きな設備を予定していても2年目は原則課税にすることができず、消費税の還付も受けられないことになります。

消費税のからみは、設備投資も勘案しながら原則課税・簡易課税を検討する必要があるのです

簡易課税をやめたい場合は、「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」を、やめたい年の前年までに税務署に提出する必要があります。

 

取りやめの届出を出さない限り簡易課税の効力は永遠に続く

簡易課税は2年縛りの制度ですが、個人事業主の場合は、

  • 2年前の課税売上高が5,000万円を超えた
  • 2年前の売上が1,000万円以下で免税事業者となる

といった場合は簡易課税は使えなくなります。

注意点としては、上記の場合は簡易課税が使えなくなるだけで、簡易課税の届出の効力は続いているということです

もし、また課税売上高が1,000万円~5,000万円の間におさまったら、その2年後は簡易課税で消費税計算をする必要があります。

  • 売上が1,000万円をいったりきたりしている場合は、消費税は免税と簡易課税での計算をいったりきたり
  • 売上が5,000万円をいったりきたりしている場合は、消費税計算は原則課税と簡易課税をいったりきたり

ということになります。

簡易課税による消費税計算を完全にやめたい、という場合は「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」を、やめようとする年度の前年度中に税務署に提出しておき必要があります

やッ!ややこしい!

ムー係長

まとめ

「経費のほとんどが人件費」といったように、「支払った消費税が少ない」業種の場合は、簡易課税制度を選択した方が消費税が安くなる可能性が高いです。

気になる方は、原則法と簡易課税の両方で消費税を試算してみて、有利になる方を選択することをオススメします。

ただし、「簡易課税を使えるのは届出を出した翌年から」、という点に注意してください。

その場合、事業計画や設備投資計画を確認しながら、今後「支払った消費税」が増える見込みはあるか、といったことを必ず勘案しましょう。

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今日もご覧いただきありがとうございました。

群馬県太田市の【ワリとフランクな税理士】涌井大輔でした。

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