税務調査で調査官の言い分に納得できなければ修正申告にすんなり応じる必要はない!
税務調査が終わると、調査官と事業者・会社との間で指摘事項について話し合いがもたれます。
確定申告書の記載内容にミスやモレがあることにより、納税額が本来よりも少なく申告している場合は、指摘事項について修正申告するように調査官は求めてきます。
ですが、明らかなミスではなく、見解の相違による指摘事項があることもあります。
その場合、納得できなければ、すんなり修正申告に応じるのは得策ではない場合があります。
修正申告は納得したものと扱われる
税務調査で指摘事項があると、税務署は修正申告するように求めてきます。
税務署側から、いきなり
この不足分の税金を納めてください。
税務署員
と言ってくることはありません。
納税者側が指摘事項に納得して、自分で修正申告を作成して、納得の意思表示である署名押印をしてください、とまずは言ってきます。
つまり、修正申告を出す=税務署の見解に納得する、ということになってしまいます。
修正申告を出すと、あとで税務署の見解がおかしいと気づいても、
異議あり! インターンけろ吉
と訴えることができなくなってしまいます。
ですので、明らかな単純ミス、明らかな法令違反、脱税行為は論外として、税務署の指摘事項に納得がいかない場合は、修正申告にすんなり応じる必要はないのです。
納得いかないなら「更正処分にしろ」という選択肢もある
税務署の見解に納得できないなら、「更正処分にしろ」と言う選択肢もあります。
更正処分とは、ザックリ税務署側から一方的に「この税金を払ってください」と言ってくるものです。
強制税金支払い依頼ですね。
スタッフA美
自主的に修正に応じる修正申告では、自ら納得して修正しているので、後々「異議あり!」と訴えることができません。
そういうこともあり、どうしても税務署のいうことに納得がいかず、話し合いも平行線であれば、更正処分にしてもらい、その後異議申してをする選択肢もあります。
念のためにお伝えしておくと、私は「何がなんでも修正申告には応じるな」、と言っているわけではないですし、オススメしているわけではありません。
指摘事項に納得いかないまま修正申告にすんなり応じると、後々「異議あり!」と訴えることができなくなるので注意した方がいいという話です。
当然のことながら、異議申してまでいけば、本業以外の労力を使うことになりますし、専門家に払うお金や時間も使うことになります。
修正申告に応じないのであれば、その後の労力とのバランスも十分に検討することも忘れないでください。
税務署だって異議申しては面倒くさい
我々、納税者側からすれば異議申立てするのは、仰々しいですし面倒です。
お金も時間も余計な神経も使います。
平和主義で効率的に、無駄な感情や労力を使いたくない私からすれば、もっといい方法はないかと考えます。それは、税務署サイドも思っていることです。
できるなら、面倒な手続きはしたくない。
でも、税務署側も意地がある。
意地と意地のぶつかり合い。
税理士わくい
負けられない戦いがそこにはある!
ムー係長
また、調査官からしても、納税者から納得が得られず異議申立てされることは、税務署内での評価が下がります。
そこで、お互いの妥協案として、指摘事項の一部を取り下げてもらうことを条件に、修正申告に応じるといった交渉をしてみるのも一つの方法です。
交渉が上手くいくかいかないかは、調査官しだいといったところでしょう。
それでも税務署の更正処分に納得できなければ「異議申立て」
更正処分に納得できなければ、異議申立てをすることができます。異議申立ては、更正処分をした税務署・国税局に対して、処分の通知を受けた日から2ヶ月以内に異議申立書を提出して行います。
異議申してがあると、税務署・国税局は内容を審理し、異議申立てに対する決定の内容を記載した異議決定書を申立人に送付します。
それでもなお、決定の内容に不服があれば、国税不服審判所に対し審査請求をすることができます。
その審査内容にも不服があれば、訴訟を起こす方法もあります。
ここまでいくケースは、小規模の中小企業ではないかと思います。
ただ、「泣き寝入りせず、こういうこともできる」ということだけでも知っておくと、税務調査でも凛としていられる、という人もいます。
まぁ、こういう権利もあるけど、私個人としては経営やプライベート、時間、お金など、トータルで考えて建設的かどうかも考慮して検討してもらいたいものです。
裁判までいく場合は、建設的かどうかなんて考えず「感情」が優先されるのでしょうが。。
何はともあれ、税理士は納税者の味方です。
まとめ
修正申告は、税務調査の指摘事項の納得の証でもあります。
なので、本当に納得できなければ、すんなり修正申告に応じることはありません。
納得できなければ、その後も納得できないまま経理をすることになります。
調査官も敵ではありません。
血の通った人です。
冷静に、でも訴えたいことはシッカリ説明することが大切です。
私が「修正申告に応じるな」とあおっているように感じた方は誤解しないでくださいね。
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群馬県太田市の【ワリとフランクな税理士】涌井大輔でした。
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