給与からの住民税は特別徴収が原則!事務の流れをチェック!
従業員に支払う給与から天引きするものといえば、所得税の源泉徴収や社会保険料です。
他に忘れがちなものに住民税があります。
給与からの住民税は事業者側で天引きして納付までする特別徴収が原則となっています。
住民税は前年所得をもとに計算
給与から天引きされる税金といったら所得税ですね。
所得税はその月の給与の額や扶養状況に応じて天引きする額を決定します。
一方、同じ天引きされる税金でも住民税は「前年の所得」をもとに計算する仕組みになっています。言いかえれば、所得税はリアルタイム計算で、住民税は後追い計算な訳です。
なので、前年の所得がゼロの場合は、今年の住民税はかかってきません。
なお、住民税には都道府県民税と市町村民税の2つがありますが、一般的にはあわせて住民税といい、市町村に合計して納めることになります。
住民税は細かくいうと所得に対して課税される「所得割」と住んでいるだけで課税される「均等割」で計算されます。
税理士わくい
▶参考:群馬県太田市市民税
給与からの住民税は天引きが原則
個人の住民税の納付方法には普通徴収と特別徴収の2種類があります。普通徴収は簡単にいうと、本人が直接、市町村に納める方法です。
給与の場合は原則として特別徴収によることになっています。特別徴収は、給与の支払者が給与から住民税を天引きして納付まで行います。
特別徴収なら源泉所得税と同じように、住民税のとりっぱぐれが減るため、市町村も何とか特別徴収にしていこうという動きを最近ヒシヒシと感じています。
ちなみに、特別徴収を義務付けられている給与支払者のことを特別徴収義務者といいます。
普通徴収 | 本人が直接納付 |
特別徴収 | 給与支払者が給与から天引きして納付 |
事業者はやることが多くて大変ですね。。
スタッフA美
住民税の特別徴収事務の流れ
特別徴収義務者の事務の流れは次のようになります。
- 1月31日までに、従業員の住所地の市町村に「給与支払報告書」を提出する
- 市町村は提出された「給与支払報告書」をもとに住民税を計算する
- 計算された住民税は「特別徴収税額通知書」として、5月31日までに給与支払者である事業者に送られてくる
- 事業者は送られてきた通知書をもとに、6月から翌年5月までの1年間の住民税を天引きする
- 給与天引きした住民税は翌月10日までに、従業員の住んでいる市町村に納める
なお、給与支払報告書は、年末調整の際に作成する源泉徴収票と同じ内容のものです。
税務署が用意している手書きの源泉徴収票は複写式になっていて、1枚目には「源泉徴収票」、2枚目、3枚目には「給与支払報告書」というタイトルがついています。
住民税の納付時期
住民税の特別徴収については、給与を支払った月の翌月10日までが納付期限となっています。
ただし、事業者の事務負担を考慮して、所得税の納期の特例と同じように、年に2回半年分をまとめて納付することもできます。まとめて納付ができる要件は次のとおりです。
- 従業員の数が常時10人未満
- それぞれの従業員の市町村長の承認を受ける
納付のタイミングは具体的には、
- 6月~11月分→12月10日まで
- 12月~5月→6月10日まで
となっています。
所得税の納期の特例とは納付期限が1ヶ月ずれているので、所得税と同じタイミングで納付しないように注意しましょう。
従業員を普通徴収にする裏技
従業員の住所地の市町村に「給与支払報告書」を提出する際、給与支払報告書の摘要欄に「普通徴収」と朱書きしておきましょう。
給与支払報告書に記載された金額をもとに市町村が住民税を計算して、直接本人に普通徴収の通知をしてくれることになっています。
市町村によっては、
「なぜ普通徴収?」
役場のF太郎
というおたずねがくるかもしれませんが、その時はその時です。
上手に回答しましょう。
雑な終わり方ですね!
スタッフA美
まとめ
野球選手が契約金をパァーと使ってしまって、翌年多額の住民税の通知がきて大変なことになったという話はテレビでもよく聞きます。
ネットビジネスでブイブイ言っていた与〇翼氏も書籍で語っていましたね。。
そう、住民税は後追いでくるので忘れがちになるのです。
天引きする方も事務が面倒で、天引きされる方も何気に痛い住民税!
所得税だけでなく住民税も気にかけていきましょうじゃありませんか!
税理士 涌井大輔事務所は夢を持って創業される経営者様を応援しています!
今日もご覧いただきありがとうございました。
群馬県太田市の【ワリとフランクな税理士】涌井大輔でした。
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