日本政策金融公庫「創業の心得10か条」~第2条「創業する事業についてセンスを磨く」~
日本政策金融公庫の創業の心得10カ条。
第2条「創業する事業についてセンスを磨く」
起業するなら業界の理解は基本のキ
あなたは、自分が起業する業界・業種の動向や時流、特性、取引慣行や利益率、資金回収のタイミングなど把握しているでしょうか?
私は毎月メールやライン、チャット、電話などで数多くの起業相談を受けていますが、正直行き当たりバッタリとか、ゼロリサーチで相談してくる人は少なくありません。
大抵の方の起業相談は「フワフワ」しているんです。
(わたしの生き方みたいに)
税理士わくい
でもよく考えてみてください。
自分がいいと思っても、お客様はあなたから買わないかもしれません。
つまり、ニーズがないというやつです。
お客様はいることはいるけど、市場は成熟していて、参入しても競合と価格競争になるかもしれません。
売上は大きいけど、利益率がめっちゃ低くて、かつ資金回収のタイミングが数か月先という、あまり旨味の無い自転車操業タイプのビジネスかもしれません。
起業後の悩みを少しでも少なくするために、最低限、次のことはざっくりでも把握しておきましょう。
- 業界の動向
- 業種の特性
- 取引慣行
- コスト構造・利益構造
- キャッシュの動き
- 変動費・固定費の割合
業界状況を何も理解しないで起業するほどリスキーなことはないと心得ましょう!
こんなはずじゃなかった!!
ムー係長
できれば実務経験を積む
業界経験のある分野で起業するなら、業界の特性は勉強しなくても肌感覚でわかるでしょう。
そして、起業を前提に前のめりで仕事に励んでいるのなら、自然とビジネスセンスも磨かれているでしょう。
もし、あなたが起業予定の業種で実務経験がないなら、6か月は経験を積むことをオススメします。
次のような問題を解決するのに役立ちます。
- 業界の特性や時流など肌感覚で理解できる
- ビジネスの流れが体系的に理解できる
(例:仕入から販売、キャッシュ回収までの流れ) - 思ったほど儲からないことがわかる
(逆もしかり) - 思ったほど楽しくないことがわかる
(逆もしかり) - 必要な設備や創業資金がより明確になる
ビジネスの成功確率を高めるなら、実務経験を積みながら創業計画書を作り上げていくことをオススメします。
実務経験ナシは公庫の融資通過が難しくなる!?
私の経験上、実務経験ナシで創業する場合の、日本政策金融公庫の融資通過は難易度が上がります。もちろん、実務経験がないからといって融資が通過しないというわけではありません。
「趣味が高じて」というパターンの場合は、ある意味実務がプロの領域でもあるので、融資通過の壁の高さはあまり気になりません。
例えば、ボルダリングジムで働いたことはないけど、趣味でボルダリングやジムのことは知り尽くしている、という方の創業支援を成功させたことがあります。
実務経験を上回るほどの、相当な知識量や勉強量があれば、実務経験あるナシに気を取られる必要はないでしょう。
ですが、多くの場合は、やはり実務経験ナシでの起業は公庫の担当者に「計画性がない」と判断されてしまいます。
計画性や、先を見通す力は、起業家に求められるものです。
もし、「今はその力がない」という実感があるのであれば、今からでも遅くはありません。
6か月、いや3か月みっちり実務を積み、お世話になっている会社の経営ノウハウを盗みながら創業計画書を作り上げましょう。
成功の要諦は「TTP(徹底的にパクる)」です!
税理士わくい
最初から独自性・差別性を打ち出そうという人がいますが、「差別化」をする前にやるべきことは、成功者のやり方を「徹底的にパクる」ことです。
成功法則が何かもわからない、なぜ売れるのかがわからないまま、独自性を出そうとしても空回りするだけです。
独自性は、「量と熱量」を上げていけば、自然とにじみ出てきます。
また、日本政策金融公庫の融資では、6か月~1年の通帳の履歴を提出するので、自己資金がゼロに近い方は、できれば1年実務を積みながら自己資金を貯めることをオススメします。
創業に向けて、計画的に自己資金を貯めてきた証明を通帳でするわけです。
他にも、以下の条件に当てはまる場合は、日本政策金融公庫の創業融資の通過確率は下がります。
創業融資7つチェックリスト
- 過去5年間に破産等の債務整理はあるか?
- 消費者金融の利用歴はあるか?
- カードローン・銀行ローンの延滞・焦付きはあるか?
- 社会保険・税金の延滞はあるか?
- 電気・電話・ガス・水道・家賃などのライフラインの延滞はないか?
- 創業予定の業種の実務経験はあるか?
- 自己資金はあるか?
もし、該当するものがあれば、実務経験を積みながら解消させていきましょう!
ハードルは高い、と思いましたか?
でも諦めないでください。
にゅーみ
現在は該当したとしても、
クリアしてから融資申請すれば、高確率となります。
税理士わくい
まとめ
「創業する事業についてセンスを磨く」ことは、
日本政策金融公庫の融資を通過させるためだけでなく、事業を成功に導くためにも必要なことです。
もっというと、3年以内に廃業しないための前提条件ともいえます。起業することは、ある意味自分の人生を自分で切り開く行為でもあります。
明るく楽しい道のりとなるように、手間を惜しまずベースをしっかり固めておくことをオススメします。
私も頑張ります!
税理士わくい
税理士 涌井大輔事務所は夢を持って創業される経営者様を応援しています!
今日もご覧いただきありがとうございました。
群馬県太田市の【ワリとフランクな税理士】涌井大輔でした。
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