「確定申告」ってそもそも何の手続きのことをいうの?
先日、税務署の依頼を受けて太田市の商工会で青色決算申告説明会の講師をしてきました。
個人事業者なら当然のように行う「確定申告」。
そもそも「確定申告」って何のために行うものなのか、そんな質問を受けることがあるので、今日は「確定申告」のソモソモについて書きたいと思います。
確定申告=所得税の申告
個人事業主が働いて得た所得(儲け)にかかる国税のことを所得
会社員がもらう給与も、平たくいってしまえば働いて得た「儲け」になるので、これもまた所得税を払うことになります。
会社員の場合は、所得税は会社側が計算をして、給与から天引きをして税金の納付までやってくれます。
個人事業主の場合は、会社員とは異なり、誰かが勝手に所得税の計算と納付をやってくれるわけではありません。
基本的には自力で計算と納付をする必要があります。
誰かが全部やってくれたらなんてラクなことか!という話ですよね。
税理士わくい
確定申告とは、所得税計算を自分で確定させて税務署に申告する手続
この確定申告は、所得税だけでなく住民税も連動しているので、
所得税はどのように計算するのか?
個人事業主の場合、所得税は一年間の儲け(事業所得)をもとに計算します。住民税も基本的には同じです。
確定申告では、まずその年に儲かった事業所得を計算します。
事業所得は、基本的には売上から売上原価や必要経費を差し引いて算出します。
儲かったお金、つまり事業所得から医療費控除、生命保険料控除、社会保険料控除、配偶者控除や扶養控除等の各種所得控除を差し引きます。
そして、
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円を超え 330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円を超え 695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円を超え 900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円を超え 1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円を超え4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
例えば、売上が800万円、経費が300万円、所得控除の合計が200万円だったとします。
この「課税所得300万円」に税率をかけたものが所得税となります。
課税所得300万円を下記の表に当てはめてみます。
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円を超え 330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円を超え 695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円を超え 900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円を超え 1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円を超え4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
課税所得300万円は、「195万円を超え330万円以下」の列の税率が適用されます。
税率は「10%」なので、300万円× 10% = 300,000円となります。
この300,000円から、差し引ける控除額は97,500円なので、300,000円− 97,500円= 202,500円となります。
この202,500円が、所得税の額となります。
確定申告の方法は2種類ある
個人事業主が確定申告する場合は、「
会社の場合は決算書を作成しますが、個人事業主も同様の書類を作成することになります。
青色申告をする人は青色申告決算書、いずれの場合も、売上や必要経費を記載して利益(所得)を算出します。
個人事業主は、確定申告書と一緒に青色申告決算書または収支内訳書を添付して税務署に提出しなければなりません。
そして算出された利益(所得)から、
申告書の作成の流れは、ざっくりまとめると次のようになります。
所得税を少なくするコツとは?
所得税や住民税などの税金を安くするためには、青色申告の人も白色申告の人も、利益(
所得を低くすることが節税の王道ですね。
税理士わくい
では所得を低く抑えるためには、どうしたらいいかです。
それはズバリ!
経費をもれなく積み上げる事です。えっ、経費をもれなく?
当たり前。。。
起業家さや
たしかに。
当然ちゃ当然のことかもしれません。
ですが、案外このことができていない経営者の方が多く、もったいないな、と思うことが非常に多いのです。
節税のコツはこの地道な作業の先にあるのです。
まとめ
確定申告は、基本的には所得(儲け・利益)を確定させ、税金計算結果を税務署に申告し、納付まで行う手続きのことをいいます。
ですが、個人的には単に税金計算のためだけに行うのではもったいないと考えます。
会社でも個人事業でも決算は一大イベントです。
これまでの経営成績を把握するとともに、これから(未来)を予測する判断材料でもあります。
「確定申告=面倒な手続き」と考えず、経営の分析資料と未来への気付きの資料としてとらえると、確定申告作業も楽しくなってくるかもしれませんよ。
涌井さん前向きすぎですよ。。
起業家さや
はい!これからも前向きな経営者の方との出会いを楽しみにしています!
税理士わくい
税理士 涌井大輔事務所は夢を持って創業される経営者様を応援しています!
今日もご覧いただきありがとうございました。
群馬県太田市の【ワリとフランクな税理士】涌井大輔でした。
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