個人事業主として開業届を出すデメリットやリスクってあるの?副業、扶養、失業保険など注意が必要なケースを解説!
群馬県太田市のワリとフランクな税理士わくいです。
中小法人、個人事業主の夢と成功を支援する特化型税理士です。
個人事業として開業する際は、税務署に「開業届」を提出することになります。
開業届は提出しなくても罰則はありません。
ですが、屋号付きの通帳を作成する場合や、国の支援金申請、創業融資を申し込む際は「開業届」がないと手続きがスムーズにいかなくなるため、特別な理由がない限り出しておいたほうがいいでしょう。
一方で、副業するなど、ある条件の方の場合、開業届を出さない方がいいケースもあります。
開業届を出すメリット
開業届を提出しておけば、確定申告時期になると、税務署から確定申告書類が郵送されてきたり、確定申告に関する案内が届きます。
ほかにも、個人事業主にとって耳よりな下記の情報が届きます。
- 会計帳簿の作成方法に関する説明会
- 税理士による無料記帳相談
- 確定申告に関する無料相談会
- 消費税インボイスに関する説明会 etc
また、開業届の控えがないと、国の給付金申請や、個人事業名義での通帳作成、創業融資を受ける際には、開業届がないと申請ができないケースもあります。
そういった意味でも、特段の理由がない限りは、開業届は忘れずに提出しておくことをオススメします!
個人事業主として開業届を出す3つのデメリット
ここからは開業届を出す主な3つのデメリットをお伝えします。
厳密にいうと、開業届を出すこと自体のデメリットではなく、個人事業主となるデメリットともいえます。「扶養から外れたくない」、「失業手当を受給したい」、「会社に副業がバレたくない」、という方は個人事業主として開業届を出さない方がいいケース(そもそも個人事業主として活動しない方がいいケース)もあります。
1.失業手当を受給するケース
失業手当とは、会社の雇用保険に加入していた人が失業した場合に受給できる手当のことです。
失業手当を受ける際には、新しい仕事に就くための就職活動をしていることが受給の要件となります。
個人事業主として開業届を出して開業する場合は、個人事業主として活動を始めたことになり、「失業状態」ではなくなります。
そもそも開業届を出さなくても、開業した時点で「失業状態」ではなくなります。
そのため、開業届を出したかどうかにかかわらず、実態として開業した時点で、失業手当の受給資格は無くなります。
税理士わくい
「開業したけど売上が発生するのはだいぶ先」という場合も、失業手当は受給できません。
「開業届を出さずに、こっそり開業した状態で失業手当をもらう場合」も不正受給になります。
開業準備中も失業手当の受給対象外となるため、失業手当の受給を検討している場合は注意しましょう。
2.扶養に入っているケース
配偶者等の扶養に入っている場合は、「扶養から外れてしまう可能性」があるため注意が必要です。
「扶養に入る」という言葉の意味ですが、扶養には、「所得税法上の扶養」と「健康保険上の扶養」の2種類があります。
開業届に関係するのは「健康保険上の扶養」です。
加入している健康保険組合によっては、年収や所得が130万円に満たなくても、個人事業主は全て扶養に入れないという場合もあります。健康保険上の扶養については、扶養の加入条件を各健康保険組合が定めています。
収入額で扶養加入条件を決めているところもあれば、所得で扶養加盟条件を決めているところもあります。
収入や所得にかかわらず、個人事業主はNGというところもあります。
企業によってルールが異なりますので、配偶者の扶養から外れたくない方は事前に確認しましょう。
3.会社に秘密で副業をしている場合
実は、開業届を出しただけでは、副業しているかどうかは会社にはわかりません。
では、副業しているかどうか、会社にどうやってバレるのか?
ポイントは確定申告です!
税理士わくい
確定申告をすることで、副業がバレる場合があります。
具体的には、所得が増えることで納める住民税も増加し、増加した住民税の通知が会社にがいくためです。
確定申告の際、給与以外の住民税の納付方法を特別徴収ではなく「普通徴収」にしておくことで、副業がバレるリスクを下げることができます。まれに、普通徴収を選択したのに、市区町村のミスで特別徴収が選択され、会社に連絡がいくこともありますので、完全な回避はできないという想定もしておきましょう。
会社員が副業で事業所得を得る場合に、できる限り会社にバレない方法をコチラの記事にてお伝えしています。
黙っていて後にトラブルに発展するよりも、開業届を出す前に副業について上司や人事に確認しておくほうが良いかもしれません。
スタッフA美
まとめ
今回は開業届を出すこと自体のリスク・デメリットというより、個人事業主として開業することで生じるリスクについてお伝えしました。
個人事業主として開業するのであれば、基本的に開業届を出した方がメリットが多くなります。
「扶養から外れたくない」、「失業手当を受給したい」、「会社に副業がバレたくない」、という方は個人事業主として開業届を出さない方がいいケースもあるので注意しましょう。
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税理士わくい
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スタッフA美
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