群馬県太田市のワリとフランクな税理士事務所

控除対象配偶者が今年死亡した場合は、年末調整・確定申告で扶養控除できる?ひとり親控除(寡婦控除・寡夫控除)の同時適用についてもお伝えします!

    
\ この記事を共有 /
控除対象配偶者が今年死亡した場合は、年末調整・確定申告で扶養控除できる?...

群馬県太田市のワリとフランクな税理士わくいです。

中小法人、個人事業主の夢と成功を支援する特化型税理士です。

 

年末調整が終わってひと段落。

と思いきや、従業員から次の質問がきたらどう答えますか?

「亡くなった妻の分の扶養控除が計算されていないんですが、配偶者控除はされないのですか?」

 

要件を満たせば配偶者控除できる

控除対象配偶者と年内に「離婚」した場合、その年分の控除対象扶養親族となることはできず、扶養控除の適用を受けることはできません。

では、控除対象扶養親族が年内に亡くなった場合の扶養控除の取扱いはどうなるのでしょうか

死亡時点で控除対象扶養親族の要件に該当していれば、その年の扶養控除の適用を受けることが可能、ということになります。

税理士わくい

 

控除対象配偶者とは、その年の12月31日の現況で、次の4つの要件のすべてに当てはまる人です。

控除対象配偶者の要件

(1)民法の規定による配偶者であること(内縁関係の人は該当しません。)。

(2)納税者と生計を一にしていること。

(3)年間の合計所得金額が48万円以下(令和元年分以前は38万円以下)であること。(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)

(4)青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないことまたは白色申告者の事業専従者でないこと。

なお、平成30年分以後は、控除を受ける納税者本人の合計所得金額が1,000万円を超える場合は、配偶者控除は受けられません。

 

配偶者が死亡した時の現況において、控除対象配偶者の該当要件を満たしているか否かを判定します。

その要件を満たしている場合には、納税者は配偶者控除の適用を受けることができます。

この場合、「配偶者の合計所得金額が38万円以下」という要件は、配偶者のその年の11日から死亡日までの間の合計所得金額で判定します。

なお、年の中途で控除対象配偶者が死亡した場合であっても、配偶者控除額の月割計算等は行いません。

スタッフA美

 

ひとり親控除(寡婦控除・寡夫控除)の双方適用の可能性もある

控除対象扶養親族が年内に亡くなった場合、配偶者控除に加えて、ひとり親控除(寡婦控除・寡夫控除)の対象となる可能性があります

納税者がひとり親であるときは、一定の金額の所得控除を受けることができます。

これをひとり親控除といい、これまでは寡婦控除・寡夫控除といっていました。

なお、ひとり親控除は令和2年分の所得税から適用されます。

 

ひとり親とは、原則としてその年の12月31日の現況で、婚姻をしていないことまたは配偶者の生死の明らかでない一定の人のうち、次の3つの要件のすべてに当てはまる人です。

ひとり親控除の対象となる人の範囲

(1)その人と事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる一定の人がいないこと。

(2)生計を一にする子がいること。

この場合の子は、その年分の総所得金額等が48万円以下で、他の人の同一生計配偶者や扶養親族になっていない人に限られます。

(3)合計所得金額が500万円以下であること。

 

簡単にいうと、配偶者控除の対象となっていた配偶者が亡くなり、その後結婚せず、合計所得が500万円以下で、所得の少ない子がいる場合は、配偶者控除とひとり親控除の双方適用ができます。

ひとり親控除の控除額は35万円となります。

税理士スナ子

国税庁:「ひとり親控除」

 

配偶者控除とひとり親控除の双方適用の事例

国税庁HPに、下記の事例が掲載されていましたので、ご紹介します。

【照会要旨】

A社の従業員Bは、妻を控除対象配偶者としていました。ところが、その妻は本年9月に死亡しました。

このような場合、Bの年末調整に当たっては、配偶者控除とひとり親控除を併せて適用できますか。

なお、Bはひとり親控除の対象となる「ひとり親」の要件は備えています。

【回答要旨】

配偶者控除とひとり親控除の両方について適用できます。

控除対象配偶者又はひとり親に該当するかどうかは、通常その年の12月31日の現況により判定することになっていますが、控除対象配偶者が年の中途で死亡した場合には、その死亡時の現況により判定することとされています。

したがって、まず、配偶者控除については、Bの妻が死亡した時点で判定することとなりますので、この時点で、生計を一にしているなどの控除対象配偶者としての要件が満たされていれば配偶者控除が受けられます。

次に、ひとり親控除については、12月31日の時点で判定することとなりますが、ひとり親としての要件を満たしているとのことですから、これも受けられることとなります。

国税庁「配偶者控除とひとり親控除の双方適用」

 

ひとり親控除・寡婦控除を受けるには年末調整で扶養控除申請書を提出する

年末調整でひとり親控除や寡婦控除を受けるには「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を記載し、給与支払者に提出する必要があります。

C 障害者、寡婦、寡夫または勤労学生」の欄にある「ひとり親」または「寡婦」の所のチェックボックスにチェックを入れます。

年末調整で配偶者控除やひとり親控除の適用モレがあった場合は、確定申告をすることで、所得税の還付を受けられる可能性があります。

忘れずに手続きしましょう!

ムー係長

 

まとめ

死亡時点で控除対象扶養親族の要件に該当していれば、その年の扶養控除の適用を受けることが可能、ということになります。

年末年始の会社休業中に従業員の親族がお亡くなりになり、年明けに連絡を受ける場合があります。

そのような際は慌てることなく、適用に誤りがないようご注意ください。

ご連絡お待ちしております!

税理士わくい

コロナに負けずやりきる!

スタッフA美

オンオフなく、常にオン!

ムー係長

誠実、丁寧、speed!

税理士スナ子

お申込み、お待ちしています!

インターンけろ吉