確定申告や決算前にチェック!売上の計上モレは税務調査で指摘される!業種別の売上計上モレとなりやすい事例をお伝えします!
群馬県太田市のワリとフランクな税理士わくいです。
中小法人、個人事業主の夢と成功を支援する特化型税理士です。
法人・個人を問わず、事業を行っていれば避けては通れないものに「税務調査」があります。
税務調査では、売上の計上モレや経費の過大計上が指摘されることがあります。
指摘を受けた場合は、国税・地方税のほかに、加算税・延滞税等を追徴されかねません。
特に売上については、収益計上の認識の相違により、「収益(売上)の計上漏れ」という指摘を受けてしまうケースもあります。
今回は収益のうち、特に売上について、どういう場合に計上漏れと指摘されるのかについて説明します。
1.いつ売上に計上するのか
売上を計上する時期は、「請求書発行日」や「現金を受け取った日」、「入金があった日」ではありません。原則として、
■物品の引き渡しを要するもの ⇒その引き渡しがあった日
■役務の提供を要するもの ⇒その役務の提供が完了した日
が売上の計上時期となります。
「売上の計上時期」「売上の計上基準」について、もっと詳しく知りたい方はコチラの記事をご覧ください。
ここからは、業種別の売上計上モレとなりやすい事例についてご紹介します!
スタッフA美
売上計上モレ事例①:小売業
事例①:売上の計上時期の認識誤り
(引渡基準を採用)
売上の計上時期は、現金での回収(入金)があった日ではなく、商品等を引き渡した日となります。
従って、まだ現金等を受け取っていないとしても、売上を計上する必要があります。
税理士わくい
売上計上モレ事例②:卸売業
事例②:売上の計上時期の認識誤り
(出荷基準を採用)
出荷基準を採用しているため、たとえ請求書が未発行であったとしても、出荷した日(3月30日)に売上を計上する必要があります。
税理士スナ子
※請求締切日とは1ヶ月ごと、15日ごとなど、一定の期間で売上を集計して請求をする期日のことをいいます。
20日締め、月末締めを採用している企業や事業者が多いでしょう。
売上計上モレ事例③:製造業
事例③:売上の計上時期の認識誤り
(検収基準を採用)
▶食品機械製造業(食料品製造プラントなどの機械を製造)で、機械を納品し、売上先にて組み立て・試運転を行った後、売上先の検収が完了した日をもって売上に計上する検収基準を採用している。
決算日までに機械の納品・組み立て・試運転を行い、検収が完了していたが、検収完了通知書が遅れて届いたため、検収の完了が確認できず、売上の計上が漏れてしまった。
検収基準による売上の計上時期は、検収完了通知書が届いた日ではなく、検収が完了した日となります。
従って、仮に決算期日を過ぎてから検収完了通知書が届いたとしても、決算日までに検収が完了している場合には、その売上を計上することが必要です。
税理士わくい
売上計上モレ事例④:建設業
事例④:引き渡した時期の認識誤り
(工事完成基準を採用)
▶改修工事の請負契約を締結し、当該契約の工事が完成して引き渡しを行ったが、追加工事も行うこととなり、追加工事についても請負契約を取り交わした。
この追加工事分と合わせて請求を行うこととしたため、売上の計上が漏れてしまった。
当初の契約分は完成し、引き渡しが完了しているため、請求を行っているかどうかに関わらず、その引き渡しの時点で売上を計上する必要があります。
なお、当初の工事が不完全だったため追加工事を行う場合は、そもそも当初工事が完了していないので売上に計上する必要はありません。
税理士スナ子
売上計上モレ事例⑤:サービス業
事例⑤:売上の未請求
(役務完了基準を採用)
役務の提供が完了した日において売上を計上することが必要です。
従って、売上計上の基となる「役務の提供が完了したこと」を証明する資料は重要ですが、もしこれが無い場合でも、見積り等を基に売上を計上する必要があります。
税理士わくい
売上計上モレ事例⑥:不動産業
事例⑥:敷金・保証金の償却
(使用収益開始基準を採用)
▶不動産(建物)を賃貸し、家賃1ヶ月分20万円と敷金6ヶ月分(120万円)を受け取った。
賃貸借契約書において、敷金は、退室時には家賃2ヶ月分を償却する旨が記載してあるが、売上への計上が漏れてしまった。
不動産などの賃貸借契約に基づいて受け取る敷金・保証金のうち、返還を要しない金額については、その返還しないことが確定した日(貸室等の引き渡しのあった日又は契約の効力発生の日)に売上を計上する必要があります。
税理士スナ子
今回の場合では、契約書において「敷金は、退室時には家賃2ヶ月分を償却する」となっているため、貸室を引き渡した日に、返還が不要である「家賃2ヶ月分=40万円」を売上に計上することが必要です。
税理士わくい
まとめ
これまで見てきたように売上が計上漏れであるとの指摘を受けた場合、法人税や所得税の計算上、所得金額が増え、追徴税額が発生する可能性があります。
また、消費税も追加で納付税額が発生することも考えられます。
税務調査があっても指摘を受けないよう、これら売上の計上においては、判断に誤りがないか日頃から気を付けておく必要があります。
ご連絡お待ちしております!
税理士わくい
コロナに負けずやりきる!
スタッフA美
オンオフなく、常にオン!
ムー係長
誠実、丁寧、speed!
税理士スナ子
お申込み、お待ちしています!
インターンけろ吉