新たに会社を設立した場合に、あえて消費税の課税事業者となる場合の注意点について解説!
群馬県太田市の【ワリとフランクな税理士】涌井大輔です。
これまで個人事業主として事業をしていた方が、晴れて新たに会社を設立し、個人の事業を会社に引き継ぐことになった場合です。
この場合の消費税の課税事業者の判定の流れを解説していきます。
珍しく超かたい話ですね!
スタッフA美
消費税課税事業者となるかどうかの流れ
ポイント(思考経路)
納税義務の判定 | 消費税の納税義務の判定は、基準期間の課税売上高で行われる。 |
☟ | ※基準期間とは、事業年度が1年である法人の場合、その事業年度の前々事業年度(2年前の年度)をいいます。 |
免税事業者の判定 | 新たに設立された法人は、基準期間の課税売上高がないので、設立1期目、2期目は原則、免税事業者となる。 |
☟ | ※ただし、新設法人、特定新規設立法人、特定期間による判定により、免税事業者とならない場合があります。 |
あえて課税事業者となることができる | 免税事業者であっても、消費税の還付を受けるために、あえて課税事業者を選択することができる。 |
※1期目から適用を受ける場合は、会社設立1期目の末日までに届出書を提出する必要があります。 |
新たに会社を設立して、事業を開始した場合は消費税の問題が生じます。
設立時の資本金が1,000方円未満である場合、原則として、消費税の免税事業者となります。 中小企業の多くは会社設立1期目、2期目は免税事業者となります。ただし、売上があまりない状況で多額の設備をする予定があるなど、消費税の課税売上よりも課税仕入が多い場合には、戦略的に「あえて課税事業者を選択」することで消費税の還付が受けられます。
原則は免税事業者となる
新たに設立された法人は基準期間がないため、基本的には免税事業者となり、消費税の納税義務はありません。
ただし、下記に該当する場合は課税事業者となります。
- 新設法人及び特定新規設立法人に該当した場合の設立1期目及び2期目
- 特定期間の課税売上高・給与等の支払合計額が共に1,000方円を超えた場合の設立2期目
あえて課税事業者になることも可能
免税事業者であっても、消費税の控除仕入税額の還付を受けたい場合は、「消費税課税事業者選択届出書」を税務署に提出すれば、課税事業者になることができます。
この場合、届出書の提出期限には注意が必要です。
新たに事業を開始した場合には、開始した日の属する課税期間の末日までに届出書を提出すれば、その課税期間から適用を受けられます。
つまり、会社設立1期目中に「消費税課税事業者選択届出書」を税務署に提出しないといけません。
1期目が過ぎて、決算申告するタイミングで、
還付受けられそうだからやっぱり課税事業者になろう。
起業家B吉
と言っても、残念ながら問屋がおろしてくれません。。
ある程度事前にシュミレーションして届出書を出すか出さないかを判断する必要があります。
なお、2期目以降に課税事業者を選択する場合、原則として、適用を受ける課税期間の開始の日の前日までに、選択届出書を提出する必要があります。
あえて課税事業者の選択をしたことをやめたい場合
還付を受けるため、「消費税課税事業者選択届出書」を提出して「あえて課税事業者」になったけど、売上がしばらく1,000万円を超えない、ということもあります。
あえて課税事業者になると、本来免税ラインとなる売上1,000万円を超えなくても、消費税を納めなくてはならないという状況が起きたりします。その場合、あえてなった課税事業者をやめたいのなら「課税事業者選択不適用届出書」を提出すれば、課税事業者の選択を取りやめ、免税事業者に戻ることができます。
ただし、課税事業を選択した最初の課税期間を含めた2年間(1期目、2期目)は免税事業者に戻ることはできないので注意が必要です。
あえて課税事業者を選択した場合の注意点
消費税の課税事業者を選択した事業者が、基準期間がない事業年度(1期目、2期目)に含まれる各課税期間中に100万円(税抜)以上の建物・構築物・機械装置などの資産(調整対象固定資産)の課税仕入れを行った場合又は平成28年4円1日以後に1,000万円 (税抜)以上の棚卸資産又は建物等の資産の課税仕入れ等を行った場合には、仕入れ日の属する課税期間の初日から原則として3年間は免税事業者となることはできません。
や、ややこし過ぎじゃないですか?
インターンけろ吉
なんだかややこしいので、簡単にまとめます。
仮に設立1期目にあえて課税事業者になった場合に、下記に該当したときは、1期目を含めて3年間は免税事業者になれません。- 税抜100万円以上の機械等の資産を買った
- 税抜1,000万円以上の棚卸資産を買った
さらに、簡易課税制度の適用も受けることができません。
まとめ
結論。中小企業の多くは、会社設立1期目、2期目は基本的に免税事業者となります。
税理士わくい
また、免税事業者の対象でも還付を受けるため、「あえて課税事業者」になることもできます。
その場合のリスクは十分に加味、シュミレーションして検討しましょう。
ポイント(思考経路)
納税義務の判定 | 消費税の納税義務の判定は、基準期間の課税売上高で行われる |
☟ | ※基準期間とは、事業年度が1年である法人の場合、その事業年度の前々事業年度(2年前の年度)をいいます。 |
免税事業者の判定 | 新たに設立された法人は、基準期間の課税売上高がないので、設立1期目、2期目は原則、免税事業者となる。 |
☟ | ※ただし、新設法人、特定新規設立法人、特定期間による判定により、免税事業者とならない場合があります。 |
あえて課税事業者となることができる | 免税事業者であっても、消費税の還付を受けるために、あえて課税事業者を選択することができる。 |
※1期目から適用を受ける場合は、会社設立1期目の末日までに届出書を提出する必要があります。 |
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