【消費税の納税義務判定】売上が1,000万円未満でも消費税の課税事業者になる?法人設立初年度の事業年度が1年未満の場合は注意が必要!
群馬県太田市のワリとフランクな税理士わくいです。
中小法人、個人事業主の夢と成功を支援する特化型税理士です。
法人を新規設立した経営者の方から、よく頂く質問があります。
売上が1,000万円超えたら、消費税払わないといけないんですよね?
起業家さや
今回は、いつ時点の売上が1,000万円を超えたら消費税を払うことになるのか、「消費税の納税義務の判定」についてお伝えします。
消費税は通常は2期前の課税売上高で判定する
こんにちは。法人を新規設立して、これからお店をオープンする予定です。
ネットで色々調べていたら、「売上が1,000万円超えたら消費税を払わないといけない」とあったのですが、そうなんでしょうか?
起業家さや
こんにちは。法人を設立したんですね。
法人の場合、消費税を払うかどうかの判定は、通常2期前の課税売上高で判定します。例えば、こんな感じです。
税理士わくい
各事業年度が1年の法人の場合 (ほとんどの中小企業が該当します) | ||
第4期 | 第5期 | 第6期 |
課税売上3,000万円 | →第6期は第4期の課税売上高で判定 | 2期前(第4期)の 課税売上高が1,000万円超 ∴消費税の納税義務あり |
仮に、景気が悪くなって第5期の課税売上が500万になったとしたら、第7期については消費税は免税となります。
上記の表はオーソドックスなケースです。
税理士わくい
消費税の納税義務の判定は、他のケースもあるのでしょうか?
起業家さや
はい、事業年度が1年未満の場合は、決算書の売上高が1,000万円未満でも消費税の課税事業者になる可能性があります。
税理士わくい
事業年度が1年未満の場合、というのはどういうケースでしょうか?
起業家さや
法人設立第1期目は事業年度がまるまる1年でない場合が多いので注意が必要です。
具体的な例をみていきましょう。
税理士わくい
1年でない事業年度は年換算して判定する
消費税の納税義務の判定をする際の注意点としては、事業年度が1年でない場合は売上を年換算しなくてはいけないことです。
例えば、設立初年度の期間が11ヵ月だった場合をみてみましょう。
第1期 (11ヵ月) | 第2期 (1年) | 第3期 (1年) |
課税売上990万円 | →第3期は第1期で判定 | 消費税の納税義務あり |
990万円÷11ヵ月×12=1,080万円>1,000万円 |
「第1期の課税売上高が990万円で1,000万円を超えていないから、第3期は免税だ!」といった判断をしないように気を付けましょう。
2期前の事業年度が1年に満たない場合は、売上を年ベースに計算しなおして消費税の判定をする必要があります。
実務でも間違いやすいポイントなので注意しましょう。
念のため納税義務の届出書は提出しておく
第1期目の課税売上高が1,000万円を超えていたら、第3期目は消費税を納める義務が発生します。
この場合、特段税務署に届出書類を出さなくても、自動的に納税義務者になります。ですが、何の手続きもしていないと、課税事業者だか免税事業者だか、自分自身でわからなくなる場合があります。
特に、課税売上高が毎期1,000万円を行ったり来たりする場合は注意が必要です。
「来期は消費税を納める必要がある」とシッカリ認識しておくためにも、課税事業者となる場合の届出書「消費税課税事業者届出書(基準期間用)」を税務署に提出するようにしましょう。
課税事業者の届出を提出しないと、税務署から「おたずね」がくるので、やはり提出した方がよさそうですね。
スタッフA美
免税事業者であった場合は税抜経理はしない
消費税の納税義務を判定する際には次の注意すべきポイントをおさえておきましょう。
- 課税売上高は消費税を除いた税抜価額で判定
- 2期前が免税だった場合は、売上に消費税は含まれていないため、税抜で判定しない
- 2期前が1年でない法人は課税売上を年換算して判定
ちなみに、個人事業者の場合は法人とは異なり、年換算を行う必要はありません。
税理士わくい
まとめ
ザックリの説明でしたがイメージは掴めたでしょうか?
消費税の判定は税金計算の中でもデリケートな部分です。
売上判定と一言でいっても、消費税の判定で使う売上や、判定上は除外する売上もあります。
ややこしいし少し不安だなと思ったら、一度税理士などの専門家に相談することをオススメします。
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今日もご覧いただきありがとうございました。
群馬県太田市の【ワリとフランクな税理士】涌井大輔でした。
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