「生計を一にする」は、同居していなくても、扶養関係がなくても該当することがある!
確定申告で扶養控除を使う場合や、青色事業専従者給与を経費とする場合は、「生計を一にする」が要件になります。
「生計を一にする」は平たくいえば、家計が一緒、財布が一緒という意味です。
ですが、厳密には家計が一緒でなくても「生計を一にする」に該当する場合があります。
税法独特用語「生計を一にする」とは?
税法って、ホントにわかりにくい、とっつきにくい用語を使ってくるんです。
こんな言葉普段使わないだろ!
起業家B吉
って感じですね。
そして、勘が鋭い方は、何となく「家計が一緒」という意味かなと思ったことでしょう。
その感覚、ほぼ正解です。
税理士わくい
家計が一緒ということは、多くの場合は「同居の家族」をイメージするかと思います。
基本的にそういうことです。
ちなみに、いくら家計が一緒といっても、内縁の妻は法的に親族とならないので、配偶者控除や扶養控除を使うことはできません。「生計を一にする」は、基本的には、「家計が一緒の同居の親族」という認識で構いません。
ですが、大きく分けて次の2つのケースでも「生計を一にする」に該当することがあります。
- 同居していない親族
- 同居しているが家計は別の親族
以下、2つのパターンを具体的にみていきましょう。
「生計を一にする」ケース①~同居していない親族~
「生計を一にする」とは、必ずしも同じ家に同居している必要はありません。
例えば、
- 夫が単身赴任で別居中
- 子供が大学で上京中
- 療養中の親と別居中 など
といったような事情で同居していない親族がいたとしても、親族間で常に生活費、学資金、療養費などの送金が行われている場合は、「生計を一にする」に該当することになります。
別居しているからといって、扶養控除や医療費控除などの所得控除を諦めないようにしましょう。
「生計を一にする」ケース②~同居しているが家計は別の親族~
基本的には、親族が同一の家に同居している場合は、家計が別だったとしても「生計を一にする」に該当することになります。
これまた、ややこしいケースもあります。
中には同居をしていても、「うちは、食事から光熱費から税金からガソリンまで、全て親と別で生活をしている。だから生計を一にしていない」という場合があります。
完全に家計が別だったとしても、父親が世帯主になっていたり、居住スペースが明確にわかれていなかったりすると、「生計を一にする」に該当することになります。
実際に、上記のようなケースで、生計を一にしている関係にあると判断された裁判例もあります(東京地裁・平成13年5月16日判決)。
いわゆる二世帯住宅のように居住スペースが明確にわかれていて、住民票の世帯主登録も別登録されているような場合は、生活費や療養費の送金とかしていない限り、基本的に別生計と考えていいでしょう。
まとめ
「生計を一にする」の意味は基本的には、「家計が一緒の同居の親族」という認識で構いません。
プラスアルファとして、
- 同居していない親族(勤務、修学、療養などの事情)
- 同居しているが家計は別の親族
についても、「生計を一にする」に該当することになります。
必ずしも、一方が他方を扶養する関係であることや、同居していることを要件とするものではありません。
確定申告で扶養控除や医療費控除などの所得控除を検討する際は、モレのないようにして、シッカリ節税をしましょう。
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