プライベート資金から事業用の費用を出したら「事業主借」で経理!生活費、所得税・住民税など経費ならないものは「事業主貸」!
群馬県太田市のワリとフランクな税理士わくいです。
中小法人、個人事業主の夢と成功を支援する特化型税理士です。
個人事業だと少額の経費は、ポケットマネーから払うことは多々あります。
そんなときは、「事業主借」という勘定科目で経理すればOkです。
事業主借でプライベートとの間に線引きできる
個人事業主だと、事業用の口座とプライベート口座をシッカリ分けている人はいても、現金までキッチリ線引きしている人は少ないかと思います。
ボールペンなどの備品を購入する時は、とりあえず「自分の財布」から出しておこうというケースはよくあるのではないでしょうか?
個人事業主である私も、少額の備品の購入については「現金払い」というのは日常茶飯事です。
本当は、クレジットカードをできるだけ使って、事業用口座から引き落とすようにすれば、経理的にもラクなるかもしれませんが。
ポイントも付きますしね。
税理士わくい
しかし、少額の買い物でクレジットカードを使うほどアメリカナイズされていないのが日本の現状です。
そのような「自分の財布」から備品を購入した場合でも、「事業主借」という勘定科目で必要経費にすることができます。
事業主借はこうやって活用する
具体的なケースをみてみましょう。
例えば、100円のボールペンを現金で買った場合です。
通常であれば、下記の仕訳をします。
いわゆる簿記の教科書的な仕訳です。
しかし、飲食店などのお店を運営している場合は、現金管理をしていますが、フリーランスなど一人で仕事をしている場合は、現金帳簿を付けるのは手間になります。
このように、「現金払いはポケットマネーから」、という場合は下記の仕訳をすれば大丈夫です。
また、実際はポケットマネーと事業用の現金は分けて管理していないけど、帳簿上「事業主借」はあまり使いたくない、という場合もあるでしょう。
「現金」勘定で経理したいという場合は、現金勘定がマイナスにならないように、下記のように経理します。
このように、いったんプライベート資金から事業用現金に資金移動をしたことにします。
事業用現金が増えたら間髪いれずに、下記の仕訳をします。
間髪入れずに仕訳をする必要はありません!
やっていることは、結果的にどちらも同じ経理になります。
ただ、帳簿の見せ方が変わるだけです。
では、直接「事業主借」で経理をした方がいいのか、又はいったん事業用現金を増やしたうえで経費の計上をした方がいいのかについてです。
私だったら、現金取引が月に10件程度であれば「事業主借」、10件以上なら、いったん事業用現金を増やして経費の計上をしていきます。
理由は「帳簿が美しいかどうか」です。
えっ、そんな理由?
インターンけろ吉
えっ、?
ムー係長
そうです、そんな理由なんです。
『帳簿が美しい=経営判断がしやすい帳簿』になります。
その人にとって、見やすい帳簿・損益計算書になれば、どういうかたちでもいいかと思います。
一番大事なのは、テクニック的な話でなく、事業用資金とプライベート資金をキッチリ線引きすることにあります。
逆に事業用資金をプライベート用に使った場合
プライベート資金を事業用資金にあてた場合は「事業主借」を使います。
逆に、事業用資金からお金を引き出してプライベート用に使った場合は「事業主貸」を使います。
例えば、事業用口座から生活費100,000円を引き出した場合は下記の仕訳をします。
注意するポイントは、お店のレジからお金を拝借するような、事業用の現金をプライベート用に使う場合です。
普通預金から現金を引き出した場合は通帳に記録が残るので、事業用のお金をプライベート用に使ったということはわかります。
これが、レジや金庫から現金を拝借したけど、帳簿をつけるのを忘れていた場合、「あれっ、現金が合わない!」なんてことも起こりかねません。
どうしても、レジや金庫から事業用資金をプライベート用で使う場合は、帳簿又は少なくともメモには残しておきましょう。
事業と個人のお金が混じるときは按分計算する
事業用とプライベート用が混在する支出があります。
自宅と事務所が一緒の場合の、家賃や水道光熱費、通信費などです。
この場合も、事業用割合に応じて必要経費にすることができます。
もし、支出したお金が事業用口座から出ている場合は、プライベート分を「事業主貸」として経理します。
プライベート分は事業の必要経費から差引くことになります。
支出したお金がプライベート口座から出ている場合は、事業分を「事業主借」として経理します。
事業の経費はポケットマネーで払いましたよというわけです。
これらの経理は決算時にまとめて行ってもOKです。
また、freeeなどの会計ソフトなら、按分率を設定しておけば、あとは自動計算をしてくれるものもあります。
按分計算が複雑な状況にならないなら、自動按分機能はオススメです。
こんな時は「事業主借」「事業主貸」を使おう
「事業主貸」を使うケース
- 生活費を引き出した
- プライベートのものを買った
- 所得税、住民税を支払った
- 国民年金など社会保険料を支払った
- 生命保険料など所得控除になるものを払った など
「事業主借」を使うケース
[プライベート資金で下記の支出等をした場合は「事業主借」]- 事業用資金を増やした
- 事業で使うものを買った
- 預金利息が事業用口座に振り込まれた
- 子供手当が事業用口座振り込まれた など
まとめ
事業用とプライベート用が混在している時は、「事業主貸」、「事業主借」を使えばOKです。
ただし、事業用口座でプライベートの引き落としが多いと、経理の時間ばかりかかってしまいます。
その場合、経理をアウトソーシングしている場合は、余計な手数料を払っている可能性もあります。
まずは、「事業主貸」、「事業主借」を使いこなす前に、事業用口座にプライベートの引き落としが混ざっていないかチェックしてみることをオススメします。
それが、経理の効率化、時間の確保、余計な手数料の削減、ストレスの軽減につながります。
税理士 涌井大輔事務所は夢を持って創業される経営者様を応援しています!
今日もご覧いただきありがとうございました。
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【本日の一言】
小さい女の子が、小さい男の子と手をつないで歩く。微笑ましい。
【Good&New】
経営者仲間とスカイプトーク。有益な時間だった。
【小さなチャレンジ】
車検を終える。
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