節税効果を早めるなら新車よりも中古車の方が効果的!
会社や個人事業主が事業用の車を購入した場合、耐用年数に応じて毎期費用化していきます。
この場合、同じ車両でも新車よりも中古車の方が短い耐用年数で費用化できます。
より購入資金を少なく、節税効果を早めるなら中古車の購入が効果的です。
中古車の耐用年数は新車より短い
減価償却費の計算をする際、実務上は法定耐用年数に応じて資産を費用化していきます。
例えば社用車を新車で購入した場合の一般的な法定耐用年数は6年です。
仮に、期首に300万円の社用車を購入した場合の毎期の減価償却費は50万円(=300万円÷6年<定額法>)となります。
これが、中古車だと耐用年数を短くすることができるため、場合によっては、同じ車種でも新車と同じ節税効果を出すことも可能となります。
中古車の耐用年数の算出方法
耐用年数の算出方法は下記のとおりです。
- 使用可能期間(残存耐用年数)を見積もる
- 簡便法により見積もる
①の見積もりは実際のところ困難であるため、実務上は「②簡便法」が多く採用されています。
簡便法による算式は下記のとおりです。
- 法定耐用年数の全部を経過した車両の場合※ー法定耐用年数×20%
- 法定耐用年数の一部を経過した車両の場合※ー(法定耐用年数-経過年数)+経過年数×20%
購入した中古車が8年落ちの場合 6年<8年 →耐用年数の全部を経過している
購入した中古車が3年落ちの場合 6年>3年 →耐用年数の全部を経過していない
この計算式に当てはめて、以下ケーススタディをみていきます。
中古車で新車に近い償却費にすることも可能
まず、中古車の耐用年数を簡便法で算出します。
- 法定耐用年数の全部を経過した車両の場合※ー法定耐用年数×20%
- 法定耐用年数の一部を経過した車両の場合※ー(法定耐用年数-経過年数)+経過年数×20%
中古車は3年落ちなので、3年<6年(法定耐用年数)となり、②の算式に当てはめて計算します。
簡便法による見積もり耐用年数はこうなります。
(6年ー3年)+3年×20%=3.6年→3年(1年未満切捨て)
※中古車の経過期間は一年未満の端数が生じる時は、月数になおして計算します。
※中古資産の耐用年数が2年より小さい場合には、2年となります。
とりあえず、中古車の耐用年数は3年となりました。
次に、それぞれの車両の取得価額に、それぞれの償却率(ここでは定率法)をかけて減価償却費を計算します。
- 新車-500万円×0.333=166.5万円
- 中古車ー250万円×0.677=166.75万円
あら、ビックリ!
起業家さや
新車の半額であっても、新品とほぼ同額の減価償却費を計上できる場合もあるのです。
中古車でも性能が落ちないものや、売却する場合に相場が大きく変動しない車両を取得する際には、より効果的な節税策となります。
いわゆる高級車は相場が変動しにくい車が多いかと思います。
つまり、いい車選びも節税対策の一つとなるわけです。
中古車の購入時に改良などして、価値が上がった場合は、法定耐用年数が適用されることもあるので注意です!
税理士わくい
まとめ
中古車を購入した場合の減価償却についてまとめるとこうなります。
- 中古車の耐用年数は新車よりも短い耐用年数が使用可能
- 中古車の耐用年数を簡便法で自分で算出して計算する
節税を検討する時は、節税効果だけでなく、手持ち資金と節税のバランスをみて検討しましょう。
節税したけど、手持ち資金がスッカラカンでは事業が回りませんからね。
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