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<日本政策金融公庫>創業計画書作成完全ガイド②~経営者の略歴等~

    
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<日本政策金融公庫>創業計画書作成完全ガイド②~経営者の略歴等~

日本政策金融公庫で創業融資を受けるには、『創業計画書』を作成する必要があります。

創業計画書の二つ目の記載事項である「2.経営者の略歴等」は、単に時系列で職歴を書くだけでは足りません。

融資通過確率を高めるための「経営者の略歴等」の書き方をお伝えします。

 

経営者の略歴=履歴書ではない

日本政策金融公庫の創業計画書の記載例を見てみると、「2.経営者の略歴等」には次のように書かれています。

日本政策金融公庫の記載例

結論から言います。

この記載例を真似てはいけません。

税理士わくい

経営者の略歴欄はアルバイトの履歴書ではないのです。

 

公庫が一番気にするポイントは、

  • 業界経験(実務経験)がどれだけあるか?
  • 業界でどのようなスキルを習得したか?
  • マネジメントやリーダー経験はあるか?

など、これから創業予定のビジネスに関して、どれだけの関連する知識や経験があるかを知りたいわけです

全くの未経験で創業しようとする場合は、事業協力者がいるなど相当の理由がないと審査通過のハードルは高くなります。

逆に言うと、業界経験やマネジメント経験があるのなら、「経営者の略歴等」欄は、公庫にアピールできる箇所でもあるのです。

単に時系列で勤務先と勤務期間を書くだけではもったいないのです。

 

転職するときに書く職務経歴書と一緒

会社員の方で、転職経験のある方ならご存知かと思いますが、創業計画書の「経営者の略歴等」欄は職務経歴書と同じです

一般的に、職務経歴書は単に自分の職歴を書き連ねるだけでなく、

  • どんなスキルを習得したか
  • どのような成績を収めたか
  • どういう経験が今後活かせるのか
  • だから何ができるのか

などを書くことによって、転職先にアピールできる資料になるわけです。

日本政策金融公庫の創業計画書「2.経営者の略歴等」欄も一緒です。

例えば、

平成〇〇年~平成〇〇年 △△レストランのシェフとして勤務

と書くだけでなく、

 

平成〇〇年~平成〇〇年 △△レストランのシェフとして勤務

特にパスタについては商品開発のリーダーを任され、月に1品は季節メニューを提供

ワインに合うパスタをコンセプトに開発に専念した結果、客単価10%増に貢献

このように、同じ事実であっても、飲食店を開業する場合なら、商品開発力や経営感覚もある人なんだな、という印象を与えることができます。

「経営者の略歴等」欄を書く際は、ご自身の職歴を棚卸しするところからスタートします。

  • どんな強みがあるか
  • マネジメント経験はあるか
  • 店舗運営に関することはしていたか
  • 逆境を克服した経験はあるか

など、こんなこと書いてもいいのかな、なんて思わずにどんどん書き出してみましょう。

 

別紙で補足説明資料を作成する

公庫所定の創業計画書は全体的に書くスペースが狭くなっています。

創業計画書だけで伝えたいことを書こうとすると、どうしても要点だけを書かざるを得ません。

その場合は、別紙で補足資料を作成して創業計画書に添付します。

創業計画書には「別紙をご参照ください」と書きます。

添付をしないまでも、いつでも説明できるように作成はしておきましょう。

面談で融資担当者から職歴の詳細について必ず質問されます。

 

職歴のストーリーを構成する

ひと昔前であれば、転職回数が多いとあまりいい印象を持たれませんでした。

ですが、独立を見込んで計画的に短期間で転職をしていたとしたらどうでしょうか?

これはマイナス評価ではなくプラス評価にもなります。

例えば、あるイタリアンレストランで開業予定の人の職歴が、

  1. 小規模のイタリアンレストラン・5年
  2. 会計事務所のアシスタント・6カ月
  3. ファーストフードのバイト・6カ月

だったとします。

 

パッと見だと、

  • 会計事務所・6カ月
  • ファーストフードのバイト・6カ月

ってなんだ?

仕事が嫌になって、仕事を転々としたのかな?

と思われる可能性があります。

 

これをストーリー仕立てにすれば、

  • イタリアンレストランで技術を習得
  • 会計事務所で経理の基本習得
  • ファーストフードで店舗の効率的なオペレーション習得

だからビジネス成功確率も上がる、とアピールすることができます。

一見不利に思える転職であっても、その経験はアピールポイントにもなりうるのです

とはいっても、無理やりなストーリーを作れば、ボロが出てしまいます。

公庫担当者に見抜かれてしまいますので、心から話すことができるストーリーを構成しましょう。

 

取得資格欄に記載すること

例えば、

  • 美容師・理容師免許
  • 一級建築士免許
  • ソムリエ
  • ネイル検定資格
  • 税理士資格

など、開業予定に活かせる資格や許可を記入します。

夫婦で美容室を開業する場合、夫が個人事業主(融資申込者)で美容師免許がなく、妻が専従者(雇用される側)で美容師免許を持っていたとします。

このように、融資申込者本人が免許をもっておらず、他の人がもっている場合は、融資通過に影響が出てしまいます。

夫婦が離婚して妻が美容室を離れるかもしれませんし、他の社員が保有していた場合も辞めたら営業できなくなるからです。

 

まとめ

創業計画書の「経営者の略歴等」欄は、単に履歴書のような形で時系列で記載するものではありません。

日本政策金融公庫は開業予定の業界の経験の有無を非常に気にします。

開業予定の分野と、ご自身の過去の職歴を照らし合わせて、アピール材料をストーリー仕立てで補足資料を作成してみましょう。

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今日もご覧いただきありがとうございました。

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